「妻と知らない男」の“一糸まとわぬ姿”の写真が家族共用のタブレットに表示され…その後、疑念が確信になったメールの内容とは

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2025年01月13日 16:01  日刊SPA!

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初詣、初日の出、初売り……大晦日を終え、新年に変わった途端、「初物づくし」が始まります。これらのイベントを楽しむ男女の素性は様々です。大半は「普通の」カップルや夫婦でしょう。しかし、一部には男女どちらか、もしくは両方が既婚者、要するに不倫カップルが混じっている可能性があります。本人たちがどう思おうと道を外れた恋愛であることに変わりはありません。いつ終わってもおかしくない刹那的な関係でしょう。
筆者は行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっており、『みんなの不倫〜お値段は4493万円!?〜』(宝島社)を出版しています。現場では相談者が証拠として不倫現場の写真や動画を持参することも多いです。筆者は多くの証拠を目にしてきましたが、おのろけで浮かれ気分で地に足がついていない感じ。おおげさにいうならば愛情表現が「痛々しい」印象です。

◆30代既婚女性の57.7%が「不倫をしたことがある」

年末年始のカウントダウンは特別な時間です。配偶者とは別の恋人と過ごすなんて……完全に夫婦として終わっていますが、今回、取り上げるのは不倫をした側ではなく「された側」、いわゆる“不倫サレ夫”です。

一般社団法人・日本家族計画協会が2020年に調査した結果によると既婚女性のうち、30代は57.7%、40代は48.1%が「不倫をしたことがある」と答えています。仮に妻が「夫とは終わっている」と思っていても、夫が「妻と終わっている」と思っているとは限りません。まだ妻に対して愛情を持ち、今でも特別な存在。今後も一緒に暮らしたい場合、どうすれば良いのでしょうか? 今回の相談者、東山元太(仮名・42歳)さんも裏切られた夫の一人です。

妻が不倫を続けたまま、結婚生活を続けるのは無理です。なぜなら、妻の一挙手一投足を疑いながら、笑顔で接するのは不可能だからです。そのため、妻が不倫をやめるのが大前提ですが、問題は誰と交渉するのかです。もし妻に対して「すべて知っているんだ。はっきりさせてくれ」と頼んだ場合、どうなるでしょうか? もちろん、妻が「私がすべて悪かったわ。ごめんなさい」と丁重に謝ってくれれば良いですが、そうなるとは限りません。

◆交渉は「不倫相手の男性」とするべき

最悪の場合、「彼と一緒になるわ。今までありがとう」と離婚を切り出さる恐れもあります。いきなり離婚に発展しなくても、お互いに悪口、不満や愚痴を言い合うことは避けられず、夫婦の間に大きな溝が残ることは避けられません。そのため、交渉先は(不倫相手の)男性が正解です。男性を反省させ、改心させ、あわよくば妻に別れを切り出してもらい、「自然消滅」させるのが理想的です。実際、そんなに上手くいくのでしょうか?

なお、本人が特定されないように実例から大幅に変更しています。また不倫の経緯や発覚のきっかけ、直談判の内容などは各々のケースで異なるのであくまで参考程度に考えてください。

<家族構成と登場人物、属性(すべて仮名)>
夫:東山元太(42歳)→会社員(年収600万円) ☆今回の相談者
妻:果歩(40歳)→パートタイマー(年収150万円) 
子:芽衣(9歳)
男:朱雀義人(40歳)→妻の高校時代の旧友のはずだが……

◆タブレットに同期された写真に写っていたのは…

元太さんは「思わぬ形で嫁の『裏切り』と知ってしまいました」と苦虫を噛み潰します。きっかけはタブレットに同期された一枚の写真でした。元太さんの自宅には一台のタブレット端末があり、基本的には娘さんが勉強するために使っていました。娘さん自身はアカウントを持っておらず、アカウントは妻の状態でした。

そんななか、タブレットの写真フォルダに「おかしな写真」が表示されたのです。娘さんが元太さんに「これ!」と知らせてきたのですが、写真の右下には雲のマークが。筆者は「これは別の端末から同期された証ですよ」と指摘しました。元太さんは「やっぱり!」という表情を浮かべますが、明らかに娘さんが撮った写真ではありません。筆者は元太さんに写真を見せてもらいました。

写真の詳細ですが、背景は旅館の一室という感じ。そこに映っていたのは妻らしき女性と「知らない男性」のツーショット。二人ともカメラに向かってピースサインをとっています。筆者は「男性の右腕が途中で切れているので、男性が自撮りしたのでしょう」と解説しました。

◆男性からのメールが目に入ってしまった

問題は妻の姿です。二人は肩から上しか映っていませんでしたが、どちらも両肩が露わな状態。少なくとも上半身は一糸まとわぬ姿だろうことは想像できました。つまり、行為の後であることは想像に難くありませんでした。

元太さんは娘さんに「分かった。ありがとう」と言うと、写真が表示されている画面を自分のスマホで撮影し、端末から削除したうえで返したのです。この写真は限りなく疑わしいけれど、かなり薄暗かったので、間違いなく妻本人だと言い切れません。元太さんが妻に「これはお前なのか?」と聞き出すタイミングを逸したまま、また別の問題が発生します。

自宅のリビングで元太さん、妻、娘さんの三人がくつろいでいたところ、妻はスマホを持たずテーブルに置いたまま、トイレに。妻がトイレにいるタイミングでスマホの着信音が鳴り、ロック画面に通知が表示されたのです。

元太さんは「ショートメールの受信でした」と振り返ります。「箱根楽しかったね。『俺』も一緒になれて幸せだったね」と表示されていたそうで……。その後の内容は通知だけでは分かりませんでした。内容的には送信主が女友達でもおかしくはありませんが、一人称が「俺」なので明らかに男性です。もし、旅館のツーショット写真の男性が送信主なら辻褄が合ってしまいます。

◆妻がトイレに行っている間に携帯番号を暗記

筆者が「それから、どうしたんですか?」と尋ねると元太さんは「嫁がトイレから戻ってくる前に何とかしないと!」と焦ったそうです。心臓がバクバクした状態でショートメールに表示された11桁の携帯番号を暗記。妻がトイレから戻ってくると、入れ替わり立ち代わりでトイレに入り、トイレットペーパーにめくります。そして指に唾をつけ、震える手をおさえ、何とか携帯番号を記入したのです。元太さんが件の写真と男性の携帯番号を片手に、筆者の事務所へ相談しに来たのは、元太さんがどうしようか悩んでいるタイミングでした。

相談の日から1週間後。元太さんは自分のスマホから男性へショートメールを送ったのです。「果歩の夫です。いろいろ聞きたいことがあります。直接、話をさせてください」と。筆者は前もって「男性が言い逃れできないように、件の写真を添付してはどうでしょうか?」と助言したので、元太さんは添付ファイルをつけました。

そうすると男性は「はい、分かりました」と素っ気ない回答を返してきたので、お互いの日程を調整。元太さんはルノアールの貸し会議室を予約し、部屋で待機したのですが、すでにお腹が痛み出し、胸やけで苦しく、喉が枯れている状態でした。そして男性は約束通り、その場に現れ、ついに直談判が始まったのです。

◆妻は「主人とは終わっている」と…

まず元太さんが件の写真を突き付けたところ、男性はあっさりと認めたそうです。「はい、僕で間違いありません」と。しかし、傷ついている元太さんに向かって「僕も旦那さんを傷つけるつもりはありませんでした」と平然と言うのです。

男性いわく妻は高校時代のクラスメイト。男性はふと同級生の存在を思い出し、手当たり次第にショートメールを送り続けたそう。「義人です。久しぶり、覚えている?」と。「僕は去年、離婚したばかりなんです。その日は急に人恋しい気持ちがこみあげてきて……ちょっと軽率だったと思っています」と打ち明けますが、元太さんは「なんていい加減な奴なんだ」と思いつつ、男性の話を聞き続けました。

そんななか、当時と携帯番号が変わっておらず、返事が届いたのが妻でした。とはいえ、高校を卒業してから会っておらず、やり取りをするのは20年ぶり。男性は「最初は彼女が結婚しているなんて知りませんでした」と懺悔します。

積もり積もった話をしているうちに打ち解け、懐かしい気持ちを思い出し、実際に会ってみることに。二人が待ち合わせしたのは居酒屋のチェーン店。お酒の勢いもあって大盛り上がりだったそう。男性は元妻の悪口と言い、妻は元太さんの愚痴を言い、「それ、分かるわ!」という感じで。男性はバツイチで恋人もおらず、寂しい日々を送っていました。一方の妻も5年以上、元太さんと性生活はなく、冷え切った状態でした。「主人とは終わっているって彼女は言っていましたよ」と男性はつぶやきます。

◆箱根には五回も行っていた

そんな似た者同士の二人の足は自然とホテルに向かい、そこで久々の交わりを楽しみ、それ以降もそういう関係を続けたのです。

「彼女は何と言っているんですか? 流れ的にそうなっただけで、僕が無理やり口説いたわけじゃないです。こう言うのも何ですが……両想いだったんじゃないかな」と開き直りますが、元太さんは自分の弱みを突かれた格好です。なぜなら、このことを妻に話しておらず、これからも話せない状況だからです。

そのため、男性の指摘には正面から答えず、「そんなことはどうでもいいんだ。結局、箱根は何回目だったんだ」と論点をそらしたのです。そうすると男性は右の手のひらでパーの形を作ります。つまり、最初から数えて五度目だという意味です。

元太さんは「そんなに多いのか」と愕然としたのですが、結婚生活を立て直すため、落ち込んでもいられません。元太さんが「自分が何をしているか分かっていますよね!」と叱ると、男性は「ちょっとした出来心でした」と前置きしてから、「彼女を旦那さんから奪おう。離婚して一緒なろうと考えたこともないし、そんな話をした覚えはありません。ただ心の癒しを求めていただけです」と言います。

◆男性の口からまさかの一言

男性が今回の件で元太さんを傷つけたのは事実です。そのため、本来は精神的苦痛の対価として慰謝料を支払わなければなりません(民法709条)。しかし、元太さんは結婚生活を続けることを望んでいます。そこで筆者は前もって「大事なのは慰謝料より関係の解消ですよね」と念押しし、駆け引きの方法を伝授しました。

それをふまえたうえで、元太さんは「慰謝料……そういうのはどうでもいいんだ。今ここで別れるって誓ってくれ!」と追及したのです。男性は「もちろん、そのつもりです。彼女とは旦那さんに知られないようにする約束でした。しかし、こうやって知られてしまったわけだから」と言います。

しかし、ただ別れるだけでは不十分です。筆者は事前に「男性が奥さんに余計なことを言わないように口止めする必要がありますよ」とアドバイスしておきました。そこで元太さんは「今日、俺と会ったことを伏せてほしい」と釘を刺しつつ、「嫁と話し合って結論を出すじゃなく、嫁のことを一方的に切り捨てる形で別れてほしい。例えば、新しい彼女ができたとか」と依頼。妻が男性に未練を持ち、復縁を期待し、連絡してくるようでは意味がありません。男性が妻と連絡をとらないのはもちろんですが、妻に一縷の望みを抱かせないような別れ方をさせる必要があります。

男性は「まぁ、分かりました。でも最後にこれだけは言わせてください」と念押ししたうえで「僕みたいな男になびくなんておかしいですよ。夫婦なのに1年以上、一緒に出掛けたことがないなんて、ちょっと異常です。もし離婚しないなら、彼女のことを大事にしてあげてください」と言い放ち、会議室を後にしたのです。元太さんは「余計なお世話だ!」と叱りつけたいのをグッと我慢し、アイスコーヒーを一気飲みし、留飲を下げたのです。

◆夫婦関係はむしろ悪化してしまった?

それから元太さん夫婦はどうなったのでしょうか? セックスレスなのは相変わらず。元太さんは妻の指一本、触れることも叶いません。しかも、その日以降、妻の不機嫌な態度に拍車がかかったそう。例えば、おかずはスーパーの総菜が多くなったし、掃除機のかけ方が雑なので四隅に埃が残ったまま。しかも、洗濯かごにダウンコートを出しておいたところ、「クリーニングに出して!」と逆ギレされる有様。

このように夫婦の関係は不倫を自然消滅させる前より悪化していますが、筆者の経験上、不倫直後より数年後に離婚するケースの方が多いです。なぜなら、不倫のことを水に流せず、いつまでも根にもって、「裏切った分際で何様のつもりだ!」という態度で接するからです。つまり、離婚に至るかどうかは妻より元太さんの方が鍵を握っているのです。

元太さんは不倫の被害者なのに、妻より努力しないといけないなんて矛盾していますが、実際のところ、そうなのだから仕方がありません。元太さん夫婦が離婚を回避できるかどうかは筆者も注意深く、見守っていきたいと思います。

<TEXT/露木幸彦>

【露木幸彦】
1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。X:@yukihiko55 ブログ:法律でメシを食う若造のブログ Facebook:yukihiko.tsuyuki

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