高校時代よりメジャーリーグの舞台を夢見てきた、千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希投手(23、敬称略)の“長い旅”もいよいよ終着駅が見えてきた。
1月13日までに『MLB.COM』が、佐々木の獲得に乗り出していたニューヨーク・ヤンキースを含めた4球団と契約合意に至らないことを報じた。また『ESPN』報道でもシカゴ・カブスが“落選”した模様で、絞られたのはロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレス、トロント・ブルージェイズの3球団と見られている。
「メジャー球団の3分の2に該当する、20球団が獲得意思を示した佐々木の争奪戦ですが、各球団との面談を重ねてようやく見えてきた移籍先。定められたポスティングシステムの交渉期限は1月24日午前7時(日本時間)ですが、現地では今週中にも決定の可能性が伝えられています。
移籍時期をめぐってドタバタ劇も繰り広げた佐々木ですが、念願立ってのMLB挑戦だけに早く移籍先を決めてトレーニングに集中したいところ。そして“早く決まってくれ”と願っているのは、彼だけではないのかも」
そう心配するのは、メジャーリーグの移籍事情に詳しいスポーツジャーナリスト。“彼だけではない”とはどういうことか。
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「マジでしゃべれることがない」
2024年のシーズンオフ、メジャー挑戦を表明したのは佐々木だけではない。昨年末に海外FA権を行使して、一足早くボルティモア・オリオールズ入団を決めた元読売ジャイアンツの菅野智之(35)。
そして佐々木と同様、ポスティングでの移籍を目指しているのが中日ドラゴンズ・小笠原慎之介(27)、阪神タイガース・青柳晃洋(31)の両投手。ところが一向に、移籍決定の朗報は飛び込んできていない。
しかも青柳に至っては、交渉期限が1月18日午前7時(日本時間)と間近に迫っている。1月8日には自主トレを取材した『サンケイスポーツ』にも「マジでしゃべれることがない」と、代理人に委ねたまま“進展ナシ”であることを明かした。
「小笠原も複数球団と交渉を重ねているとは聞きますが、早期決着が見込まれていただけに長期化は想定外。こちらは1月25日午前7時(同)と、青柳と比較すると余裕はありますが、やはり“話せることはまだない”としています」(同・ジャーナリスト)
両名ともプロ野球で実績を残してきた実力者であり、メジャー球団からも評価されてこそのポスティング申請だったはず。にもかかわらず、なぜ期限間近になってお声がかからないのか。
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佐々木の移籍決定で動きが活発化も
先のジャーナリストは「佐々木の契約が影響しているかもしれません」と、メジャーでの移籍の“優先順位”を明かす。
「今オフの“目玉”とされたのが、ヤンキースからニューヨーク・メッツに移籍したファン・ソト選手(26)ですが、投手の一番人気が佐々木です。各球団とも佐々木が獲得できるかどうか、はたまたどの球団に行くかで編成がガラリと変わってくるわけで、いわば“待ち”の状態」
なるほど佐々木の進路が決まり次第、“渋滞”が解消されて戦力の加入、トレード、はたまたリストから押し出されての解雇など、各球団の動きが一斉に活発化する可能性もあるそう。
「それでも青柳投手は期限ギリギリで、投手力不足にあえぐ球団が“飛び込み”で手を挙げるか、それともマイナー契約で獲得に乗り出す球団があるかどうか。入札がなければ阪神残留が既定路線ですが、喜ぶファンの一方で本人は複雑でしょう。
とにかく、まずは一刻も早く佐々木投手の移籍が“早く決まってくれ”と、交渉を続ける代理人ともどもに願っているかもしれませんね」
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青柳も小笠原も念願のメジャーデビューを勝ち取って、今シーズンは佐々木以上の活躍をしてほしい。