佐々木朗希はどの球団でMLBデビューを果たすのか? 大谷翔平、山本由伸のいるドジャースが本命と言われる理由

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2025年01月15日 17:41  webスポルティーバ

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前編:佐々木朗希「最終球団候補との相性」考察

このオフ、メジャーリーグの移籍市場で注目を集めている佐々木朗希がいよいよ契約可能時期を迎える。これまで多くのメジャー球団と面談を行ない、第一歩を踏み出す候補球団も3チームに絞られたという報道も出ている。

果たして、佐々木はどのユニホームを着るのか。佐々木がそれぞれの球団でどのような位置付けになるのかを考察する。まずはロサンゼルス・ドジャースから。

【3球団に絞られたと見られる最終候補】

 現地時間1月13日(同14日)、ESPNのエース記者によるXへの投稿で、全米を揺るがしてきた"ロウキ争奪戦"のファイナリストが明らかになった。

「ESPNの情報筋によると、日本のスター右腕投手、佐々木朗希の獲得候補はロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレス、トロント・ブルージェイズ。佐々木は1月23日(日本時間24日)のポスティング期間終了までにチームを決める予定だ」

 アメリカでも特に確度が高いスポーツ専門媒体『ESPN.com』のジェフ・パッサン記者がそう記したのであれば、間違いはないのだろう。

 ドラフト対象外の25歳未満の外国人選手は1月15日(同16日)から契約可能。ポスティングされた佐々木の交渉期限は米東部時間23日午後5時(同24日午前7時)までとなる。その期間が迫り、ジョエル・ウルフ代理人が「少なくとも20チームが参戦した」と話したレースに、ついにはっきりとした様相が見え始めた。

 すでに面談を行なったと伝えられたニューヨーク・ヤンキース、ニューヨーク・メッツ、シカゴ・カブス、サンフランシスコ・ジャイアンツ、テキサス・レンジャーズといったチームが次々に脱落。残ったのは常に本命視されたドジャース、対抗馬と目されてきたパドレス、そして約1年前の大谷翔平争奪戦でもダークホース的に最終候補とされたブルージェイズだった。

 23歳の大器を手に入れるのはどのチームか。ここで3チームの現状と相性を探り、佐々木の最終的な決断を予測していきたい。

【佐々木とチームの両方にメリットのあるドジャース】

 本命を挙げるとすれば、やはりドジャースなのだろう。昨季世界一にたどり着いたスター軍団には、これまで野茂英雄、黒田博樹、前田健太、大谷翔平、山本由伸といった多くの日本人スター選手を迎え入れてきた伝統とノウハウがある。特に現在は佐々木が個人的に仲がいいとされる山本が所属しており、そういった意味でもフィットしやすい。ロサンゼルスの街は気候、文化的にも日本人にとって住みやすい環境であることももちろんプラスに違いない。

 直近の12シーズン連続でプレーオフに進んだ名門は手綱をゆるめず、これから先もメジャーを代表する強豪であり続けることは間違いない。佐々木が短期視野でプレーしやすく、そして長期視野で常にプレーオフでのプレーが望める環境に身を置きたいのであれば、紛れもなくドジャースが最善のチョイスのはずだ。

「(佐々木との交渉時には)短期、長期での育成に向けて、投手陣、ベテラングループなど最善と感じるものを提示する。最終的に(佐々木の)個人的な判断になるが、私たちはオーガニゼーション(組織)、ロスの街をできる限り最善の形でお見せしたい」

 昨年12月、テキサス州ダラスで行なわれたウィンターミーティングの際、アンドルー・フリードマン編成本部長が残していたそんな言葉からも、やるべきことを熟知したエグゼクティブの自信が感じられた。

 一方、ドジャース側から見て、今オフの佐々木は"絶対必須"の存在でないことも事実ではある。先発ローテーションには過去サイ・ヤング賞2度の左腕ブレイク・スネルを加え、山本、タイラー・グラスノーと合わせて軸は強力。さらに大谷翔平、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイらも戻ってくる。ケガ人が出るとしても、先発陣の層自体はすでに厚い。

 ここに佐々木まで加わり、すぐにでも起用できる目処が立った場合、いったいどういった使い方をするのだろう? その点が興味深く感じるくらいの層の厚さは、すでに誇っている。

 また、ドジャースでは常に大谷に最大の視線が注がれ、自身が主役となる機会は他球団と比べて減少するに違いない。佐々木が「即戦力&看板スター」としての自身を思い描いているのであれば、ドジャースは最高の環境ではないのかもしれない。

 ただ、キャリアのこの時点で渡米してくる佐々木は、目先の栄光だけを追い求めているのではないのではないか。頭にあるのは長期的な視点での成功。昨年12月下旬、リモート会見に登場したウルフ代理人の、次のような言葉からも、それはうかがい知れる。

「彼は次のレベルに進むためにはここ(メジャー)に来る必要があると気づいた。毎日、世界最高の選手たちと対戦し、メジャーリーグのチームが持つすべてのリソースを活用して、自分を最高の投手のひとりにするために。NPBから出てきた最高の投手のひとりになるだけでなく、メジャーリーグの最高の投手のひとりになるために。それが彼の望んでいることなんだ」

"少し時間がかかっても、ベストの自分にたどり着きたい――"。佐々木がそんな未来予想図を描いているのであれば、ドジャースは最善の環境に思えてくる。即戦力として貢献しなければならないプレッシャーに対する当初の負担は小さく、長い目でじっくりとメジャー仕様の投手に育ててもらえる。それこそが佐々木とその陣営の希望だと想定し、ここではやはり"令和の怪物"のドジャース入りを予想しておきたい。

 ほかのチームに入った場合と比べ、ドジャース入りした際には2025年の登板機会、イニング数、勝ち星などは少なめになる可能性は高い。それでも3〜5年後まで意識すれば、その選択が適切であることを否定するファン、関係者はほとんどいないはずだ。

つづく

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