竹田が指名漏れからDeNAドラ1…指名漏れ→逆転指名の今秋有力選手は?

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2025年01月15日 18:14  ベースボールキング

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トヨタ自動車・増居翔太 (C)Kyodo News
◆ 上位指名の可能性があるトヨタ自動車の左腕・増居翔太

 昨秋ドラフトでは、社会人2年目の解禁年に指名漏れを経験した三菱重工Westの竹田祐投手(25)が横浜DeNAベイスターズにドラフト1位で指名された。

 竹田が起こしたサプライズは、ドラフト解禁年を過ぎていたとしても上位で指名される可能性があることを示している。実際に、今秋のドラフト候補の中にも社会人3年目以降ながら評価の高い有力選手がいる。

 その中で最も注目を集めているのが社会人3年目を迎えたトヨタ自動車の最速149キロ左腕・増居翔太投手(24)だ。

 彦根東(兵庫)で2年夏、3年春と2度甲子園に出場。慶大では東京六大学でリーグ戦通算17勝を挙げるなど経験豊富な左腕だ。

 社会人野球名門のトヨタ自動車に進み、社会人2年目の昨年もNPB球団から調査書が届くなど注目投手の一人ではあった。

 なぜ、指名漏れを経験して迎える今年も注目の存在になり得るのか。それは、今秋ドラフト後に覚醒の兆しを見せたからだ。

 昨年11月に開催された社会人野球日本選手権で圧巻の投球を披露した。

 3試合に先発登板して2試合連続完封勝利を挙げるなど防御率0.38(24イニング1失点)と無双。同社を日本一に導いて最優秀選手(MVP)にも選出された。

 中でもHondaとの決勝は特筆ものだった。

 準々決勝から中2日での先発登板で球数147球を投じながらマウンドを譲らず、完封勝利を成し遂げて胴上げ投手となったのだ。


 ドラフト指名だけを見据えていれば、この飛躍はなかったかもしれない。その理由を藤原航平監督が解説する。

 「増居は日本選手権で球の切れ、強さが増しました。だから変化球も生きてくる。そこが進歩だと思います。いろいろ試行錯誤しながらだったので、夏場は結構打たれたこともありましたけど、本人が落ち球の精度を上げないといけないという課題を理解していた。そこを見据えてやってきた成果が現れたのだと思います」

 元々、制球力が高く試合をつくる能力には長けていたものの、目を見張るような勝負球は持てずにいた。昨夏限りで現役を引退した「ミスター社会人野球」佐竹功年からも「ウイニングショットがないよな…」と伝えられるなど、さらなるステップアップへ課題は明白だった。

 そこでスプリットを磨くことをテーマに掲げ、夏場の練習試合などで変化球を多投した。

 秋直前はドラフト指名に向けた大切なアピール時期でもある。スプリットを投げ続けて痛打を浴びれば、評価を落とすことにも繋がりかねない。それでも日本選手権で成果を出すことを目的に落ち球を磨き続けた。

 その努力が間違っていなかったことを証明するかのごとく、全国舞台でスプリットが光った。

 西部ガスとの準々決勝ではプリットを多投して被安打4、8奪三振での完封勝利。慶大時代からバッテリーを組む福井章吾が「大学時代も含めて初めての配球だった」と明かしたように、新たな投球術を完成させたと言える。

「決め球がないことは僕の弱点の一つでした。日本選手権に入るまでにスプリットが仕上がっていたわけではなかったけど、京セラドームのマウンドの高さなど球場の相性も含めてうまくいった。試合中に使いながらうまくいった感じです」

 大卒選手でも努力次第で伸びしろは無限大だ。ドラフト解禁年を過ぎた選手でも成長が止まっていないことを示せれば、竹田らに続くサプライズを起こせる可能性は十分にある。

文=河合洋介(スポーツニッポン・アマチュア野球担当)

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