物価高が続くなか、年収1000万円以上あっても豊かには暮らせない。ではいくらあれば十分かは、子どもの人数や年齢、住んでいる地域によっても異なるだろう。福島県の50代男性は、年収1200万円で「年収自体は満足」というが、
「他者からもさぞや贅沢な暮らしをしていると思われがちですが、子育て中だと話は変わってきますね。子ども1人なら余裕だったとは思いますが……」
とこぼす。そんな男性には3人の子どもがいるそうだ。(文:天音琴葉)
「年収だけを見て全てを判断する今の世の中。実態を見て下さいと言いたい」
第1子は大学を卒業し今は社会人だが、ほか2人は年齢が近い上に、いずれも「私立の医療系大学」に通っている。そのため教育費がかなり嵩むようだ。しかも
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「年収制限で寮には入れない。奨学金は借りられない。その前も児童手当からは除外されて全ての支援対象外でした」
高収入ゆえに公的な助成を受けられずに来たのだ。なお、児童手当の所得制限は昨年10月に撤廃されたものの、すでに子どもが大学生である男性は恩恵を受けられない。
また、今年度から多子世帯の大学等の授業料・入学金の無償化が実施される。所得制限はないが、子ども3人を同時に扶養していなければ対象外だ。男性のように第1子が就職し扶養から外れている場合には、残念ながら支援を受けられない。
なんの支援も受けられない男性は、「贅沢な暮らしとは程遠く、年収のほとんどが教育資金に消えてしまい貯蓄はほぼゼロ」と怒りを露わにする。高収入な人は税金を多く納めている。それなのにいざ必要な時に支援が受けられなければ、納得がいかないと思うのは当然だ。
「子ども達が無事に社会人になった頃、自分達は60歳手前になります。これから老後資金を貯められるか不安しかありません」
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さらに親の介護にかかる費用や、子どもたちの結婚資金などの援助もしなければならないと考えているようで、「絶望でしかない」と嘆いた。
「年収だけを見て全てを判断する今の世の中。どうか実際の声、実態を見て下さいと言いたいですね。この切実な思いを国に届ける方法を知ってる人がいるなら是非教えて欲しいです」
低所得世帯への支援は必要だが、高所得世帯があまりにも蔑ろにされていると思うのは男性だけではないだろう。高収入でも豊かに暮らせないなら、収入は少なくていいから仕事量も責任も減らし自由な時間を得たいと思う若者が出てきて当然だ。働く気力を削ぐことになり、延いては国力を下げることになりかねない。それでいいのだろうか?
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