飲食店での食べ残しを持ち帰るための容器について、約8割の人が「利用したい」と考えていることが20日、民間企業の調査で分かった。消費者庁などは昨年末、食品ロス削減に向け、食べ残しを持ち帰る際のガイドラインを新設しており、同庁は「指針を参考に持ち帰りの取り組みを進めてほしい」としている。
調査は昨年10月、食品ロスの削減を目指す通販会社クラダシ(東京)がインターネットで実施。全国の20代以上の男女を対象に行い、2010人から回答を得た。
飲食店に持ち帰り用の容器が用意されている場合、「無料なら使いたい」と答えた人は52.0%を占めた。「有料でも使いたい」は28.8%で、全体の8割超が「利用したい」と感じていた。ほかは「食べ残すことがない」(14.5%)などだった。
ただ持ち帰りを巡っては、明確なルールがなく、飲食店の多くは衛生面のリスクから促進に踏み出せなかった。そこで同庁と厚生労働省は昨年12月、持ち帰りに関する指針を策定。「持ち帰りは消費者の自己責任」を前提にし、「容器への移し替えは原則消費者が行う」「温度が高い所に放置しない」などの注意事項を盛り込んだ。
厚労省によると、食品ロスは食品メーカーや外食産業などから出る「事業系」と、一般家庭から出る「家庭系」に区分される。事業系の約4分の1は外食産業から出ており、その約半分が「食べ残し」と推計される。消費者庁の担当者は「持ち帰りに関する指針の周知徹底を図りたい」と話している。
消費者庁(写真左)と厚生労働省の看板