昨年12月下旬に、以前在籍していたパチスロ攻略サイトの元上司から誘われて、小岩にあるパチスロ専門店に出向いた。この元上司曰く、当日はかなり設定に期待ができるとのこと。そこで彼のポケットマネーを使って、存分に遊技してくれということだった。
元上司にはメリットがない気がするんだけど、まあ1人で抽選から並ぶのもしんどかったんだろう。あと、昼飯とか1人で食べるより、誰かと一緒に食ったほうが気持ちも暖かくなるし。実際、開店3時間前には並ぶ必要もあって間違いなく暇なので、暇つぶし要員として召喚されたのだろう。
結果から言えば僕が座った台は、AT青天井の射幸性が異様に高いスマスロ。疑似ボーナスはやたら当たるが肝心のATにつながらない。設定に関しては4以上の示唆が出たが、設定4は別に高設定というわけでもなく……。
36,000円ぐらい使ってやっとATに入り、そこから5,000枚ぐらい出したものの終盤失速。なんだかんだほとんどトントンという結果に終わった。一方の元上司はジャグラーで完全に6だろという台をツモり、閉店まで打って4,000枚以上出していた。
設定に期待ができるというのは、嘘ではなかったわけだ。しかしそんな日に打っても、展開が悪いと初ATまでに36,000円も使う羽目になる。これは恐ろしいことだ。
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その台のコイン単価いくつだよ、と思って調べると3.2円。コイン単価は低ければ低いほど射幸性も低いとされているので、つい「え? こんなに低いの」と仰天してしまった。ことほど斯様に、今ホールではとにかく初期投資がかかる台が増えている。(文:松本ミゾレ)
今の台は飽きるまで打とうとすると財布がもたない
先日、5ちゃんねるに「【悲報】最近のパチ&スロ、ヤバすぎるwwww」というスレッドが立っていた。スレ主は現状のホール設置台にかなりやられているようだ。
本文では「勝つ時 5万入れて10〜20万負け 負ける時 10万負け これがデフォな模様 射幸性ヤバすぎる」と書き込んでいる。思わず「どっちも負けてるじゃねえかよ」と突っ込んでしまったが、まあ5万入れてやっと10万20万の勝ち目がある、と言いたかったんだろう。
実際、ボーナス間の天井も深ければAT間天井はさらに深いという台も多い。確実にATまで楽しみたいなら、最悪でもAT間2,400Gは通常を耐えしのげ、というようなめちゃくちゃな台もある。
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そこまでストレートにハマることは稀だが、稀なことが何故かよく起きるのもパチンコホール。あり得ないことではないのだ。
特にパチンコではスマパチのラッキートリガーが曲者。今までのラッシュのさらに上位ラッシュを設けた機種は続々登場しているし、これによって、今までもっとも良い状態とされていたラッシュが強制的に下位扱いになった。
継続率も下位ラッシュは数値が押さえつけられ、誰もが上位を目指すようになってしまっている。その上位への道筋も狭い上に、昨今はそもそも釘も渋い。金がいくらあっても足りんのだ。その上スマパチに天井はない。
スマスロもやはり上位ATとかいう余計なものを設けたことで、普通のATがただの通過点になってしまった台も増えた。また、ATそのものに上位を設けていなくても、有利区間が切れるタイミングで余計なことをする台ばっかりで、一撃万枚確定ルートみたいなものが、今は見ることができなくなっている。
射幸性の高騰からの自主規制、からの射幸性の高騰。永遠に繰り返す流れ
そもそもこういう状況は今に始まったわけではない。2000年代前半には、当時設置されていた、極めて高い射幸性を有する機種の虜になったギャンブル依存症の人たちが消費者金融に借金しまくってでもホールに出向いて、結果自殺するというケースが発生していた。
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業界はこの状況を是正するため、この頃4号機と区分されていたパチスロを順次撤去。その上で射幸性を相当抑えた5号機区分として新たに導入。4号機撤去と同時に間違いなくホールは儲からなくなったが、低予算で遊べるパチスロを提供する流れは確保できた。
それも10年ちょっとすると、今度はその5号機にも射幸性が高い台が頻発することとなり、結果として6号機区分の時代が訪れる。6号機も当初は射幸性を抑えた……というか有利区間の導入で最大2,400枚程度しかメダルがでないという、バカらしいにも程があるスペックの台が設置されるようになった。
しかしそんな有利区間も当初1500Gおきだったものが数年で3000Gおきとなり、どこから打っても割とまとまった出玉が期待できるようになり、やがて有利区間が切り替わるタイミングで上位突入のチャンス云々とか言うようになり、おかしなことになってしまっている。
スマスロの導入で有利区間の存在はさらに重要なものになり、今や設定や台のスペック以上に、この有利区間の切り替わりタイミングで得られる恩恵を知ることの方が大事になってしまった。
その上で前述のように一撃万枚確定という夢は消え去ったままだ(有利区間は一定G数で切り替わり、その際に本来獲得できた消化中のストックやATのG数も丸ごと容赦なく、完璧に消滅するため)。
僕みたいな人間からすると、スマスロはコイン単価も高めだし、メーカーリリースではこれ単価が低いとされていても実際打ってみると射幸性の高いスマスロと変わらない投資速度。
なのでできれば避けたいが、もはやホールに旧来のメダル機がそんなに多く残されていないわけで、四面楚歌みたいな感覚を味わっている。で、メダル機も有利区間はあるんで全然損すること多いし。
同じように現況を苦々しく感じている依存症ユーザーは当該スレッドにも見受けられる。
ちょっとその声を引用・紹介させていただく。
「ラキトリ(ラッキートリガー)って結局誰が打ってるんや」
「吸い込みが間違い無く5.5号機時代を鼻で笑えるレベルになってるよヤバい 下手したら4号機超えとるやろ」
「10万いれてプラス5万とかワイはもうついて行けない」
「スマスロ打ち続けてたら万枚は出るよ でもその前に100万負けてる」
「ブチ込む金額おかしいねんもう こんなん給料もらって一発目負けたらもうその月なんもでけへんもん こんなんやってられるかよアホらしい」
やっぱり今は財布の中身と遊技台の仕組みがかみ合ってなさ過ぎるような。その辺はメーカーもあんまり精査せずに出してるのかな? という邪推はしてしまうところだ。
僕は4号機時代からパチスロデビューしたジジイだけど、やっぱり予算内でとりあえず1回はボーナスなりATなり当てることができる台に絞って遊んでたというのもあり、ホールに行くにしても、今より財布の中に入れる万札は少なかった。
今は5万あっても安心できず、10万あればまあ、今日1日飽きるぐらい遊べるかも……という微妙なラインになっている。
ただまあ、いずれこの射幸性の高さを業界も問題視するポーズをまた見せるはずなので、もうあと数年ぐらいで波も引くとは思うけどね。今までそういうことの繰り返しだったので。