自社株買い、過去最高の18兆円超=昨年、アクティビストの影響も

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2025年01月21日 09:01  時事通信社

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 2024年の上場企業による自社株買いが過去最高の18兆円超となった。資本効率改善や株価を意識した経営への取り組みが進んだことに加え、「物言う株主」として知られるアクティビストの存在も背景にありそうだ。

 いちよし証券投資情報部の集計によると、24年に設定された自社株取得枠の合計額は18兆363億円。23年の9兆5733億円に比べ、倍近い伸びとなった。

 自社株買いの加速は、東証が23年3月、資本効率などを意識した経営に取り組むよう上場企業に要請したことがきっかけ。自社株買いで株数を減らせば、株価純資産倍率(PBR)など投資指標の改善が期待でき、1株当たりの利益配分も増える。

 いちよし証券の大塚俊一投資情報部部長は「アクティビストの存在感の高まりも影響している」と指摘する。アクティビストの要求に応じた積極的な株主還元も目立ち、配当を含めた総還元性向は24年に67.4%(23年は57.1%)へ上昇した。

 政策保有株売却の受け皿としての活用も増えている。持ち合い株解消の動きを受け、トヨタ自動車は上限1兆2000億円の自社株取得枠を設定。企業向け保険の不正に絡み、金融庁が大手損害保険各社に政策保有株削減を求めたことも影響した。

 24年末の日経平均株価は前年末に比べ2割上昇。夏場には過去最大の下落幅と上昇幅を記録するなど大きく変動したものの、年間を通じて自社株買いが株価上昇を支えた。大塚氏は「25年も企業価値を高める手段としての活用は続き、20兆円を超えてくるだろう」と話しており、今後も自社株買いが株価を下支えすると見込まれる。 

このニュースに関するつぶやき

  • 自社株買いは、企業を守るには一応の効果があるが、流通する(市場に出回る)「株」は減るわけで、売り買いによってそれまでよりも「株価」に変動がおきやすくなり、株価の操作がし安くなる。
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