職場のことで「うつ状態」に…→“強烈な個性”を持つハチワレ猫と出会い変化が

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2025年01月21日 15:50  女子SPA!

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絆那ちゃんは首を傾げるのが癖
【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.158】

 人間相手では埋まらない、心の穴を満たしてさえくれるのが、猫。うつ状態だったchat noirさん(@chatnoir8888)は、動物愛護センターに収容されていた絆那(はんな)ちゃんと出会ったことで日常が変化したそうです。

 頬にチークのような点々模様を持つ絆那ちゃんは、その毛柄の愛らしさや天真爛漫な性格で、飼い主さんに笑顔を取り戻させました。

◆うつ状態の時に出会った“強烈な個性”を持つ子猫

 先代猫を亡くしたchat noirさんは2020年8月頃、職場関係の問題でうつ状態に。笑えなくなったchat noirさんを奥さんは心配して、ある行動に出ました。

「私がたびたび漏らしていた『猫、飼いたいな』という言葉を思い出し、いろいろな譲渡猫のホームページを見てくれていました。

 1カ月ほど探すなかで見つけたのが、ひと際強烈な個性を持った絆那でした」

 当時、絆那ちゃんは和歌山県動物愛護センターに収容され、「譲渡開始予定」となっていました。

 施設の職員によれば、兄弟猫と一緒に保護されたあと、生後3カ月までミルクボランティアに預けられ、譲渡対象として動物愛護センターに戻ってきたところだったそう。

 この子しかいない――。そう直感した奥さんは、絆那ちゃんの写真をchat noirさんに見せました。

「なにこの子! すごい!」と第一声をあげ、すっかり夢中になったchat noirさん。

「写真を見たとき、強烈な個性に衝撃を受けました。すべてのことに興味を失い、生きていることさえ煩わしく思っていた私の世界が色を取り戻した瞬間でした」

◆不安と期待が入り混じった初対面

 驚き、そしてなんともいえないおもしろさで笑顔になったchat noirさんを見て、奥さんはより絆那ちゃんを迎えたくなったそう。

 そこでchat noirさんが仕事に行っているあいだに、奥さんはひとりで動物愛護センターへ。というのも、和歌山県動物愛護センターは講習会参加によって、はじめて譲渡資格を得られるシステムだからです。

 講習後には、絆那ちゃんとの初対面もしっかり済ませた奥さんですが、実はここまでchat noirさんには内緒!

 帰宅後にはじめて講習会への参加や対面の報告を受け、行動力に驚かされたとか。

「先代猫を亡くしたのは2005年のことです。15年ぶりに猫と暮らすことへの喜びや期待、不安、驚きが入り混じり、妙な焦りがありました」

◆甘えてくる姿に心はすっかり決まった

 それから2日後の9月20日、今度は夫妻そろって和歌山県動物愛護センターへ行き、chat noirさんも絆那ちゃんとの対面を果たします。

 会ううえでは楽しみさだけでなく、嫌われてしまわないかという心配にも苛まれていたchat noirさん。一方の絆那ちゃんは人間側の心配など知るよしもなく、奥さんのジーンズを嗅いでは遊んではと、天真爛漫そのものです。

「なんて物怖じしない子なんだと、うれしく思いました。妻に興味を示し、『遊んで!』と周りを行き来するも、私のことは無視(笑)。

 無理に触れないなど、初対面での猫の扱いには自信があったので、残念にも思いました(笑)」

 その後、夫婦は対面用の部屋を出て小休憩。ふたたび対面してから、お迎えするかどうかを決めることにしました。

 部屋に戻ると、絆那ちゃんはスヤスヤ。どうしようかと悩みながらも、chat noirさんは3mほど距離をとって声かけ。すると、絆那ちゃんは起き、chat noirさんのもとへ歩いてきてくれました。

「指の匂いを嗅いでくれたので背中を撫でてみると、尻尾をピンと立てました。膝の上に乗せても嫌がらず、私の指で遊んでいました。

 その姿を見たら、心の中が“かわいい”で支配され、飼育への不安が吹き飛びました」

◆姓名判断で「大大吉」になる名前をプレゼント

 名前は、行きの車内で決めていた「絆那」に決定。漢字は、帰りの車内で決めました。

「ハチワレの白い部分は『鼻の形』そのものだし、点々模様はまるで鼻の穴……。そこで冗談として『名前は“鼻”』と言うと、妻が『そんなの可哀想(笑)』と真剣に考え込んでから、“はんな”の名前を提案してくれたんです」

 chat noirさんは、自分たちの姓を合わせて姓名判断を実施。「大大吉」になる名前を贈ったのです。

 お迎え後、絆那ちゃんは折り畳みのラウンドケージでしばらく過ごしてから、リビングを自由に散策するように。生活拠点が2階であるため、階段前には柵を設置して事故を防止しました。

 たっぷり愛情を注がれた絆那ちゃんは、奥さんの部屋着の袖でチュパチュパ吸うのが日課になったとか。

「袖がベチョベチョに濡れている妻の姿を何度も目にしました。チュッチュされている妻は、とても幸せそうでしたね(笑)」

 かわいいチュパチュパが減ったのは、生後7カ月目の頃。きっかけは生後3カ月の乙ちゃんを迎えたことでした。

「ひとりっ子時代、絆那ちゃんはとにかくやんちゃで遊び盛りでした。寝るまえに遊んでも、夜中には大騒ぎ。人間が寝てしまったら、ひとりで遊ぶしかないのが可哀想に思えて、妹猫を探し始めたんです」

◆新たに迎えた同居猫に“お姉ちゃん風”を吹かす日々

 同居猫となった乙ちゃんはもともと、別のお宅の飼い猫が生んだ子猫でした。

 元飼い主さんは大家さんに内緒で猫を飼っていたものの(当然ですが、契約上の問題だけでなく、猫のためにも真似してはいけませんよ!)、あえなく見つかります。

 どうしようもなくなった元飼い主さんは、乙ちゃんを遺棄。しかし心が痛み、「捨ててしまったので保護してほしい」と動物保護団体に連絡をしたことで、3日後になんとか保護された……。それがchat noirさんたちと出会うまでの乙ちゃんの経緯です。

 そうしたこともあってか、乙ちゃんはchat noirさん宅でのトライアル中、「コクシジウム症」という寄生虫感染による激しい下痢に襲われてしまいます。

 トライアルは一時中断となったものの、絆那ちゃんと仲良くなれそうな手応えもありました。症状が無事に治まると、正式な家族として迎え入れたのです。

 思い描いたとおりに2匹は少しずつ距離を縮めてゆき、よい遊び相手に。乙ちゃんが避妊手術を受けたときには励ますように寄り添う、絆那ちゃんの姿がありました。

「ただ、世話焼きな絆那ちゃんは乙ちゃんを舐めすぎるんです(笑)。乙ちゃんのフサフサで立派な襟毛が毛づくろい後になくなってしまったときには、びっくりしました」

 面倒見のいい絆那ちゃんは、心配性でもあります。奥さんが何かを壊すなどして悲鳴をあげると、慌てて駆け寄ってきてくれることもあるとか。そんな日常に、chat noirさんは幸せを感じています。

◆元気を取り戻した今、絆那ちゃんの力を世界にお裾分け

「絆那ちゃんが来てから私の表情が見違えたらしく、『よく笑うようになったね』と話してくれました。そんなに笑っていなかったのかと心苦しく思うと同時に、驚きもありました」

 chat noirさんの調子が安定してきた2022年7月、Twitter(当時。現X)で猫アカウントを作り、愛猫たちとの日常を投稿するように。

 最初は記録代わりのアカウントでしたが、今は見た人が笑顔になれるポストを心がけているそう。

「うつだった私を笑顔にしてくれた絆那ちゃんの力で、今度はXのみんなをほんの少しでも笑顔にしていきたいです」

 絆那ちゃんから貰った“笑顔の輪”がこれからもどんどん、ひろがっていきますように。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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