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米国で1月20日(現地時間)に大統領に就任したドナルド・トランプ氏は、パリ気候協定からの離脱やDEI終了など、矢継ぎ早に政策を打ち出した。これに伴い、ホワイトハウスのWebサイトも刷新され、スペイン語のページやLGBTに関する記述が消えた。
ホワイトハウスのスペイン語のページは、民主党のオバマ政権時代に設けられ、2017年にトランプ氏が大統領になった際に削除されてニュースになった。当時、トランプ政権の報道官は「一時的なこと」としていたが、復活することはなかった。
再びスペイン語ページが設けられたのは21年のバイデン政権下だ。今回それを再びなくすことで、バイデン氏が進めてきた移民政策の終了を印象づける意図もあるのかもしれない。
もう1つなくなったのが、LGBTに関する記述だった。就任式でトランプ氏は「今日から連邦政府が認める性別は男性と女性だけ」と宣言し、これまでの性的マイノリティーへ配慮を過剰なものとして否定した。
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一方、記述はあっても完全に否定されたのが、バイデン氏が少数派の権利向上を目指して進めてきた「DEI(多様性、公正性、包括性)」プログラムだ。
ホワイトハウスのWebサイトに掲載された「INITIAL RESCISSIONS OF HARMFUL EXECUTIVE ORDERS AND ACTIONS(有害な大統領令およびアクションの最初の取り消し)」は、バイデン政権下で出された78もの大統領令や行政命令を取り消すという内容。その冒頭でトランプ氏は「DEIを制度に導入した結果、“勤勉、実力、平等”が、分裂的で危険な優遇制度に置き換えられ、制度は腐敗した」と、DEIプログラムが一部マイノリティーを優遇する不公正な制度だったと断じている。
DEIをめぐっては、1月7日にロサンゼルスで発生した大規模な山火事に際し、同市のカレン・バス市長がDEI推進に熱心な一方、防災予算を削減したために対応が後手に回ったと批判を受けている。バス氏は民主党所属の黒人女性で、DEI推進に熱心なことでもしられている。
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