【シリコンバレー時事】トランプ米大統領の一族が運営するトランプ・オーガニゼーションの関連企業が発行したトランプ氏公式の暗号資産(仮想通貨)が、米国で話題になっている。17日に取引が始まり、大統領就任を前に買いが殺到、価格が急騰した。ただ、政策や規制を担う政権のトップが暗号資産取引に関与する形になり、利益相反の恐れも指摘される。
発行されたのは「$トランプ」。暗号資産比較サイトのコインマーケットキャップによると、時価総額は19日に一時150億ドル(約2兆3400億円)に達した。
この暗号資産は、ジョークやファン向けグッズのような位置付けにある「ミームコイン」の一種。ミームコインは値動きの荒さを利用し、投機的に取引されることもある。
トランプ氏は昨年の大統領選で暗号資産推進を打ち出し、業界から支援を受けた。政権内に暗号資産政策を担当するポストを作り、証券取引委員会(SEC)のトップにも推進派を起用した。
SECは21日、これまで未整備だった明確なルールづくりに着手。その一方で大統領側が暗号資産を発行することは、自身や一族への利益誘導に当たるとの批判を招きかねない。