「秋篠宮ご夫妻は、内心穏やかではないと思われます」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授がこう語るのは、発売前から注目を集める“ある人物”の自伝エッセイ本について。
「小室圭さんの母・佳代さんが著者であるエッセイの出版が突如発表されたのです。タイトルは『ブランニューデイ あたらしい日』だそう」(皇室ジャーナリスト、以下同)
紀子さまが愕然の理由
佳代さんといえば’17年、皇室を巻き込む前代未聞の騒動の発端となった人物だ。
「’17年9月、秋篠宮家の長女、眞子さんと小室圭さんの婚約が内定し、日本中がお祝いムードに包まれました。しかし同年12月、佳代さんが元婚約者との間に、約400万円超の金銭トラブルを抱えていたことが報じられ、世間の雰囲気は一変。結婚反対の声が殺到し、翌年2月、宮内庁は婚約延期を発表したのです」
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’21年11月、元婚約者には全額返金し、トラブルは解決したものの、秋篠宮家には厳しい視線が注がれてきた。佳代さんがエッセイを出すことで、騒動は蒸し返され、秋篠宮家はよくない意味で再び注目されるだろう。
「小室夫妻はエッセイの出版を事前に了承していたようですが、宮内庁や秋篠宮ご夫妻もご存じなかったようです。長男の悠仁さまは今年、成年式と大学進学を控えた大事な時期で、紀子さまは批判や悪目立ちを避けたいとお考えでしょう。そんなタイミングで佳代さんがエッセイを出版することを知り、愕然となさっているものと拝察いたします」
金銭トラブルが報じられて以降、多くの報道陣が佳代さんの取材を試みたが、応じることはほとんどなかった。結婚騒動の渦中、唯一応じたインタビューでは《いつ死んでもいいと思うこともありました》と、悲痛な心中を吐露。
自らの行いが愛息の結婚の妨げとなってしまったことに深い自責の念があったのだろう。佳代さんは今も、圭さんと暮らしていた神奈川県のマンションで、近隣住民の目を避けながら、実父とひっそり暮らしているという。
「最近も変わらず佳代さんは見かけていません。でも、部屋に厚いカーテンがかかっているから、まだ住んではいるみたい」(マンション住人)
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“良妻賢母ぶり”をアピールしたい?
粛然とした生活を送る佳代さんに合わせて、自伝本は極秘に制作されたようだ。
「著者が首都圏に住んでいる場合、印税などを決める打ち合わせは、対面で行うはずです。特に、佳代さんは騒動もあった方なので、会わずに本を出すということはないかと。外では人目がありますから、自宅に担当編集者を招いて、打ち合わせをしたのかもしれません」(出版プロデューサー)
隠遁生活を続けながらも、エッセイ本の出版に踏み切った理由について、前出の小田部名誉教授はこう分析する。
「佳代さんは、ご自身の問題はすでに時効になったという認識なのかもしれません。一定の時間を経ているので、自分の主張も通りやすくなり、賛同者を得られると考えたのではないでしょうか」
しかし、同書は料理や子育てなどの内容に重きが置かれ、皇室の内情を語る“暴露本”の要素はないようだ。
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「エッセイには圭さんが描いた佳代さんのデッサン画や、圭さんがアメリカ留学中に自炊をする写真などが掲載される予定で、結婚騒動や金銭トラブル、皇室に関する話題などは一切盛り込まれないと聞きました。佳代さんはこの本を通じて、結婚騒動や金銭トラブルを釈明したいというより“良妻賢母ぶり”をアピールしたいのではないでしょうか」(皇室担当記者、以下同)
そのために、佳代さんには払拭したい点があると、この皇室担当記者は続ける。
「夫である敏勝さんとの“本当の関係性”についてです。敏勝さんは圭さんが10歳のころに他界しており、その原因は佳代さんにあるのではと囁かれているのです」
佳代さんに入る“禁断の印税額”
発端は圭さんが小学生のころに起こった“お金”にまつわる騒動だという。
「佳代さんは、東京都八王子市に自身の両親との2世帯住宅の購入を計画していました。敏勝さんはそのための資金集めに奔走し、実家にお金の工面を頼んだそう。しかし、佳代さんは内装などへのこだわりが強く、予算を大きくオーバー。お姑さんとの関係が悪化していったそうです」
結局、敏勝さんの実家からの資金援助は得られず、計画は頓挫したという。
「これがきっかけで実家との縁が切れてしまった敏勝さんは、その後、仕事のストレスも重なり、精神的に参ってしまったそう。この件が報道され、佳代さんの常日頃の言動が夫を追い詰めていたのではと指摘されるようになったのです」
佳代さんの著書が皇室に関する暴露の要素を含まないとはいえ、前出の小田部名誉教授は警鐘を鳴らす。
「佳代さんは特別な経歴があるわけでも、本人が有名人というわけでもありません。そんな方が本を出版できるのは、佳代さんが皇室の姻戚だからではないでしょうか。皇室との姻戚関係を利用して印税を得るのは国民の象徴である皇室を利用してお金儲けをしているとの見方もでき、好ましいとはいえません」
慎ましい生活を送る佳代さんにとって、エッセイによる印税はある程度の稼ぎとなる。
「この手の本は初版で4000〜5000部刷られ、著者には50万〜60万円程度の印税が入ります。ただ、佳代さんのエッセイは発売前から話題を呼んでいますから、初版部数はもっと増えるかもしれません。そうなれば印税も増額します。また、重版がかかると印税率が上がることもあり、さらなる収入が見込めます」(前出・出版プロデューサー)
“皇室利用”といえば、過去に圭さんも世間から疑いを持たれたことがある。
「圭さんは’18年、アメリカのフォーダム大学ロースクールに入学した際、法学部出身ではないにもかかわらず、1学年に1人だけ認められる『マーティン奨学金』の対象者に選ばれています。この奨学金は学費に加えて寮費や書籍代など、年間で合わせて約1000万円が支給されるもの。奨学生に選出されるほど優秀であるはずの圭さんですが、合格率6割ほどのニューヨーク州司法試験に2度落ちているのです。このことから、奨学金は皇室とのつながりがあったから獲得できたのではとの指摘が相次ぎました」(前出・皇室ジャーナリスト)
親子共に“皇室利用”のイメージが色濃く残る中、佳代さんはブランニューデイを迎えられるのだろうか─。
小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数