フォード・マルチマチック・モータースポーツの64号車フォード・マスタングGT3 2024IMSAロア・テスト NASCARカップ・シリーズのスターであるオースティン・シンドリックは、フォード・マルチマチック・モータースポーツからデイトナ24時間レースへの出場が土壇場で決まったことは、象徴的な耐久レースの優勝を狙う「最高のチャンスのひとつ」になると信じており、GTDプロクラスでの勝利を狙っている。
シンドリックは、ミシュラン・エンデュランス・カップのドライバー、ベン・バーカーが休暇中にスキーで鎖骨を骨折し、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のシーズン開幕戦に出場できなくなった後、セブ・プリオール、マイク・ロッケンフェラーとともに64号車フォード・マスタングGT3で出場するため、急遽招集された。
「この機会と出場を得られたことに、とても感謝している」とシンドリックはSportscar365に語った。
「このレースには5回出場している。今回で6回目となるが、新しいクルマを学び、このような重要なプログラムに加わるなかで、このようなトップチームで優勝を狙えることは、これまでで最高の機会のひとつに違いない」
「このレースに出場した過去4回は、5位か6位で終わったので、もううんざりだ。時計(ロレックス)を持ち帰りたいし、ここにいる他のみんなもそう思うだろう」
シンドリックのデイトナ出場は、2023年にリック・ウェア・レーシングのLMP2クラスのオレカ07・ギブソンで出場したのが直近であり、GT3車両での最後のスタートは2022年にプロトン・コンペティションのメルセデスAMG GT3 Evoに乗ったときのことだ。
シンドリックがもし今週末にクラス優勝を飾るとなると、マリオ・アンドレッティ、A.J.フォイト、ジェフ・ゴードン、ジェイミー・マクマレーに続き、デイトナ500とデイトナ24時間の双方で優勝した史上5人目のドライバーとなる。
「僕にとっては表彰台に上がれたら最高だけど、僕の出自や日々の活動を考えると、重要なのは勝つことだけだ」とシンドリックは語った。
「このレースは大好きなんだ。正直言って、まだ勝てていないレースの中で一番勝ちたいレースだ。勝つためのスキルは身についているが、そのチャンスを見つけることが重要だ」
シンドリックによると、負傷したバーカーの代役として連絡があったのは元日だったという。そこから2週間かけてシミュレーターで準備することができ、先週の『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』でのテスト・セッションがマスタングGT3で初の公式ラップとなった。
「事前イベント(ロア・テスト)に参加できたのは、僕にとってもフォードにとっても良かったと思う」と彼は語った。
「初めてクルマに乗るのはとても臨場感があり、正直言って、早い段階で行った準備作業の一部を心から信頼できた」
「とてもスムーズで、ルールなども含めて、イベントに戻ってバイクに乗るのと同じような感じだ。1年くらい経つといつもあれ? と思うのだが、あまり変わっていない」
デイトナ24時間に5回出場したシンドリックは、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイではでマスタングGT4マシンでIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジに4回出場しており、プリオールと車両を共有した経験もる。2019年には、ロード・アトランタで優勝も記録している。
「僕はここにいる多くの人と仕事をしてきた。マルチマチックでも、他のプログラムでも、かなり長い間関係を築いてきた。素晴らしいグループだ。今年最大のレースで優勝を目指す中で、多くの馴染みのある顔を見るのは素晴らしいことだ」とシンドリック。
「難しいレースで、やるべきことは山積みだが、クルマを運転していない状態でも、ロッキーとセブというコ・ドライバー、そしてマルチマチックとフォードというチームのおかげで、週末を迎えるにあたり、もっとも準備が整っていて、もっとも安心していると感じている」
「楽しいレースだし、いまのところ問題はない。ただプログラムを進めているだけだが、クルマの中ではとても快適に感じているし、ここにいることでチームにとって間違いなく財産となり、全員を代表できると確信しているよ」