1月23日(現地時間22日)、千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムを利用して、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した佐々木朗希投手(23、以下敬称略)が入団会見に出席。
デーブ・ロバーツ監督をはじめ、球団社長やGMたちに迎えられ、少々緊張した面持ちの佐々木は、大谷翔平(30)の通訳でお馴染みのウィル・アイアトン氏を介してドジャースファンにメッセージを送り、記者との質疑応答に臨んだ。
その中で、「25歳ルール」適用のためにマイナー契約になることに話が及び、2年待てば高額契約が待っていた可能性も示されると、
「あと2年待てばという声も多く聞きますけど、その2年こういった状態で迎えるか保証はないですし、お金よりもこの2年間過ごす時間の方が価値があるものだと判断しました」
ロッテ入団時に故障したことを挙げ、この先の2年間を日本プロ野球に費やすよりも、1日でも早くメジャーリーグに身を投じることに価値を見出していたよう。
|
|
2023年オフにはプロ野球選手会の脱退が明らかになり、契約更改交渉も2024年のキャンプ直前にまでもつれ込んだ裏側には、やはり佐々木の強い主張があってのことだったわけか。
ロッテに支払われる譲渡金はいくら
しかし、彼の“言い分”に引っかかるファンがいるのも事実。会見後、SNS上で聞こえるのは、
《まあ佐々木朗が所属していたロッテに対してあまり恩義を感じていないというのが分かる話ですね》
《いつ壊れるかわからなくて、焦りがあるのなら、なんで最初からアメリカに挑戦しなかったのか? 結局、佐々木朗希にとってロッテは踏み台でしかなかったのだろう》
《いや、お前にわたるカネじゃなくて、チームに残すカネのこと言ってんだがね。ポスティングの欠陥はわかるが、ロッテに対して何の思い入れも無いのもよくわかるな》
かねてより多方面で意見されていた、過保護に思えるほどに育ててくれたロッテへの「恩返し」「義理」なき移籍への疑念。特に、今回のポスティング移籍でロッテが手にする譲渡金は如実に物語っている。
山本由伸(26)がドジャースと約500億円の契約を交わしたのは25歳の時。オリックス・バファローズには約72億円の譲渡金が支払われたが、片やロッテのそれは約2億5000万円と、「あと2年待てば」山本と同等、それ以上の金額が入ってきた可能性も否定できない。
|
|
育成費用を差し引けば“赤字”か
もとよりメジャー志向で、ポスティングによる早期移籍が既定路線だった佐々木だけに、野球専門で取材するスポーツジャーナリストは「ロッテも承知で受け入れたはず」と擁護するも、
「ロッテ入団時の契約金や、在籍4年間で支払った年俸を合算すると約2億5000万円になりますが、育成にかけた費用なども差し引けばおそらく“赤字”。予定外だったのは移籍を2年早めたことで、ロッテは優勝するための戦力を失ったどころか“ビジネス”にもならなかった。
これで万一にも将来、メジャーからNPB復帰となった際にロッテではなく、他に高額年俸を用意する球団を選んだとなっては目も当てられない。彼にも“ロッテ愛”があったことを信じたいですね」
入団会見の挨拶では最後に、
「自分の挑戦を応援してくださった千葉ロッテマリーンズ関係者の皆様、5年間応援してくださったファンの皆様に本当に感謝しています」
|
|
“夢の舞台”への早期挑戦を許諾してくれたロッテ球団、そしてファンに感謝の意を述べた佐々木。世界一の投手になった暁には、あらためて「ロッテのおかげです」とPRしてくれれば“黒字”になるのだろう。