長崎原爆で被爆した親を持つ「被爆2世」ら28人が、被爆者と同じ援護を受けられないのは法の下の平等を定めた憲法に反するとして国に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は22日付の決定で、被爆2世側の上告を棄却する決定を出した。被爆2世側を敗訴とした1、2審判決が確定した。
裁判官4人全員一致の判断。小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。被爆2世を巡る同種訴訟で、判決が確定したのは初めて。
被爆者援護法は被爆者に対し、健康診断の実施や医療費を給付することを定めているが、被爆2世を対象としていない。被爆2世側は訴訟で「2世も放射線の遺伝的影響を否定できず、国は2世を対象とする立法措置を怠った」と訴えていた。
1審・長崎地裁判決は2022年12月、被爆者が直接被爆しているのに対し、被爆2世は「放射線が遺伝的に影響する可能性を否定できないというにとどまる」と言及。被爆2世を援護の対象にしないことは「差別的取り扱い」に当たらないとして請求を棄却した。
2審・福岡高裁判決も24年2月、放射線が遺伝的に影響する可能性が医学的、科学的に証明されていないとし、国の対応に「相当の根拠がある」と判断していた。
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広島原爆の被爆2世も同種訴訟を起こしているが、1、2審とも敗訴し、最高裁に上告中。【巽賢司】
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