長野3人殺傷　容疑者、事件前に駅内外を徘徊か　新たな画像公開

　長野市のJR長野駅前で男女3人が殺傷された事件で、3人を刃物で刺した容疑者の男性は、事件の数十分以上前から現場付近をうろついていたことが長野県警への取材で判明した。県警は面識のない人を無差別に狙った殺人事件とみて捜査しており、24日、容疑者の新たな画像を公開した。

　事件は22日午後8時過ぎ、長野駅善光寺口のロータリーで発生した。3人が次々と刃物で刺され、長野市丹波島3の会社員、丸山浩由さん（49）が死亡、30〜40代の男女が重軽傷を負った。司法解剖の結果、丸山さんは失血死で、胸の刺し傷が心臓に達していた。

　警察への第一通報者となった40代の男性会社員によると、目撃した容疑者は「終始無言」で、3人を刺した後も無差別に標的を探し、さまよっているようだったという。

　男性は小学生の息子と駅前にいて事件に遭遇。女性のうめき声がする方向を見ると、5メートルほど先のバス乗り場に、刺し身包丁のような刃物を持つ容疑者がいた。「子どもと自分を守るのが精いっぱい」と必死に距離を取り、容疑者が駅前から立ち去るのを確認して負傷者に駆け寄った。男性は「大声を上げて逃げ回る人もおらず、多くの人が何が起きたのか分からなかったと思う」と振り返った。

　県警によると、容疑者は事件の数十分以上前から駅構内や駅前をうろついた後、殺傷に及んだ。駅階段付近で丸山さんを刺し、そばのバス乗り場に移動。2人を襲い、駅前を行き来した後、徒歩で逃げた。刃物は見つかっていない。負傷した2人は「容疑者と面識がない」と県警に話した。

　容疑者は20〜40代で身長170センチ前後。白い布のようなものを頭に巻き、眼鏡と白っぽい手袋を着用していた。県警は24日、新たな画像を公開。事件約20分前の午後7時40分ごろ駅前で撮影された写真に、容疑者が映り込んでいたという。【木原真希、田中綾乃、遠藤浩二】