マンチェスター・ユナイテッドに所属するブラジル代表FWアントニーが、ベティスへレンタル移籍することが決定的となった。複数のメディアが報じている。
現在24歳のアントニーは、2020年夏に母国のサンパウロからアヤックスへ加入。欧州上陸を果たすと、オランダの名門では2年間の在籍で公式戦通算82試合出場24ゴール22アシストを記録。エールディヴィジ2連覇に大きく貢献したのち、2022年夏にはアヤックス時代の恩師でもあるエリック・テン・ハフ監督に“連れられる”形で、マンチェスター・ユナイテッドへ完全移籍加入を果たした。
移籍金総額1億ユーロ(当時のレートで約139億円)と大きな期待を寄せられたが、マンチェスター・ユナイテッドで安定したパフォーマンスを見せているとは言い難い。恩師のテン・ハフ監督が去り、ルベン・アモリム新監督が率いるようになったチームではベンチを温める機会も増加。今季はここまで公式戦14試合のピッチに立って1ゴールを挙げているものの、先発での出場機会はわずか3試合と限定されていた。
このような状況のなか、今冬の移籍市場では複数のクラブがアントニーに関心を示していると報じられてきた。イギリスメディア『スカイスポーツ』の情報によると、マンチェスター・ユナイテッドは完全移籍での売却には消極的な姿勢を見せつつも、アントニーの出場期間を確保させることを目的とした移籍であれば耳を傾けていたという。
そして、『マルカ』や『アス』など複数のスペインメディアの報道によると、新天地はラ・リーガのベティスに決まりそうだ。ベティスは昨年12月よりマンチェスター・ユナイテッドとの粘り強い交渉を続けており、19日から20日にかけて交渉は大詰めを迎えたという。21日にはアントニーの代理人がベティスの本拠地であるセビージャを訪れ、最終的な条件を決定したとのことだ。
条件は今シーズン終了時までのレンタル移籍で、契約に買い取りオプションは付随していないという。レンタル移籍期間中、アントニーの推定200万ユーロ(約3億3000万円)とされる給与の一部をベティスが負担する模様。また、ベティスが来季のチャンピオンズリーグ(CL)、もしくはヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得した場合、マンチェスター・ユナイテッドに対してボーナスが支払われるようだ。
契約には最低出場試合数等も明記されており、ベティスを率いるマヌエル・ペジェグリーニ監督は即戦力として期待を寄せているという。現地時間の23日中にアントニーはセビージャ入りし、近日中にメディカルチェックとサインが行われる見込みだ。
ラ・リーガ第20節終了時点で、ベティスは6勝7分7敗の成績を残し、勝ち点「25」で12位につけている。アントニーはベティスの上位浮上を助け、ラ・リーガで輝きを輝きを取り戻すことができるだろうか。