伊豆大島(東京都大島町)で飲食店アルバイト高瀬静香さん(37)の遺体を損壊したなどとして、交際相手で畳店経営、柳瀬宗達容疑者(45)が逮捕された事件で、高瀬さんが行方不明になる直前までの数カ月間、柳瀬容疑者が高瀬さんの口座に数回に分けて金を振り込んでいたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。
柳瀬容疑者は妻子がいるにもかかわらず高瀬さんと交際し、トラブルになっていたという。警視庁捜査1課は同日、柳瀬容疑者を送検。金の趣旨や詳しい動機を調べている。
捜査関係者によると、同容疑者は2回目のトラブルがあった2024年5月ごろから、高瀬さんの口座に月に数万円を振り込んでいた。送金は高瀬さんが行方不明になる直前までに数回あったという。
同課によると、2人は島内のスナックで知り合い、20年ごろから交際するようになった。同容疑者が高瀬さんを自宅に住まわせるなど親密な関係だったが、トラブルに発展。23年9月、同容疑者が「彼女とけんかになった」と大島署に相談し、高瀬さんは直後に島を去った。
同容疑者は24年5月にも同署に「高瀬さんがしつこく電話をかけてくる」と相談。その後、2人の間で何らかの合意書が交わされ、同容疑者が高瀬さんに金を渡すようになったという。
同容疑者には妻や高瀬さんのほかにも親密な女性がいたといい、同課は事件の背景に男女間トラブルがあるとみている。
警視庁大島署を出る柳瀬宗達容疑者=24日、東京都大島町