「身長163cm」「年収400万円」婚活で“圧倒的に不利”な男性はどっち? 多くの男女が知らずに損する“婚活の真実”

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2025年01月25日 16:21  女子SPA!

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女子SPA!

古川さんがマッチングアプリに使用した写真(本人提供)
こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。

昨今の少子化や婚姻数の減少について、若者の「恋愛離れ」や「結婚離れ」のせいだと思っている人が少なくないようです。恋愛や結婚に興味のない若者が増えているというのは、果たして本当でしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2021年)によると、18〜34歳の未婚者は男女とも80%以上が「いずれ結婚するつもり」と回答しています。9割以上だった20年前と比べれば減少していますが、少子化の“元凶”といえるような変化ではありません。

「一生結婚するつもりはない」と回答した人に増加傾向は見られるものの、男女ともに10%台とまだ少数派。実際には、いずれ結婚したいという希望を持ちながら、婚活に踏み出せない未婚者が多いのです。彼らはなぜ婚活をしないのでしょうか。家族が欲しいと思いつつ、これまで彼女がいたことがないという29歳(当時)の男性・古川さん(@furuttiCH)に取材しました。

◆奨学金とローンを抱えたまま、病気で休職というドン底

福岡県出身の古川さんは、奨学金200万円を受給して地元の大学に進学します。新卒で就職したのはサービス残業やパワハラが横行する学習塾などを運営するブラック企業でした。上京して派遣社員で働き始めましたが、人間関係に悩み適応障害になり、会社に行けなくなってしまいました。

月20万円弱の傷病手当をもらいながら回復に専念し、1カ月ほど休職したのち転職活動を行います。次は害虫駆除を行う企業で派遣社員として働き始めることになりました。時給は1500円前後で、月の手取りは25万円ほどでした。

提携している都内の飲食店が現場です。スタッフは20代から50代と幅広く、女性のスタッフもいましたが、現場には一人で行くことが多く、特に女性と親しくなることはありませんでした。気になる女性はいたものの、話しかける勇気が持てず、彼氏がいるのかさえ分かりません。

◆休日に友人と過ごすようになり“ぼっち”脱出

24歳から27歳の3年間をこの企業で働き、正社員登用の話も来たそうです。足立区の家賃5万円の家に引っ越し、固定費も抑える生活が安定してきます。

上京時の引っ越し代のローンも完済でき、奨学金を返済しながら貯金もできるようになりました。首都圏で働いている高校時代の友人とも交流が復活し、休日に友人と過ごすことも出てきました。

正社員の話はありがたかったのですが「害虫駆除だと他に通用するスキルが身につかない」という理由で断ったそうです。また、コロナ禍の影響で取引先の飲食店が閉店することもありました。

◆29歳でやっと、スシローに行く経済的余裕ができた

古川さんの前職は経理です。経理の正社員の求人は簿記などの資格がある方が有利ですが、古川さんは資格を持っていませんでした。そこで派遣で経理の仕事を探し、現在のメーカーで働き始めることになりました。時給は1800円、月の手取り額は20万円台後半でした。

残業が少ないため、余暇を使って勉強することもできます。古川さんは上司から簿記2級を取れば正社員になれると提案され、簿記3級、2級を取得しました。そして無事に昨年、正社員になりました。正社員になったタイミングで、都心にアクセスしやすい街へ引っ越します。

「正社員になって月の手取りも増え、やっと毎月スシローに行けるぐらいのゆとりが出ました」と語ってくれた古川さん。生活が安定してきて「30歳までに彼女が欲しい」と思うようになり、少しだけ婚活を始めてみることにしました。

◆マッチングアプリ利用3カ月で「デート0人」

彼女が欲しいと思って古川さんが初めて利用したのは、婚活パーティーです。男性の参加費は8000円でした。参加者は女性4人、男性6人でした。高額なわりに誰ともマッチングせず、楽しいとも感じなかったそうです。

そこで、マッチングアプリのPairs(ペアーズ)に登録します。プロフィールには友人に撮ってもらった写真を使ったそうです。3〜4カ月ほど有料会員で、メッセージのやり取りができた女性は何人かいたもののすぐ返信が途絶え、デートに至った女性はいませんでした。

これは、古川さんが特別なのではありません。マッチングアプリは一部の男性に人気が集中して人気格差が開くため、女性に全く会えないという男性は大勢います。

「SNSなどでは身長は盛った方がいいという意見も見かけたことがありましたが、嘘はつきたくなかった」という古川さん。身長欄は正直に「163cm」で登録し、年収欄では「400〜600万円」を選択しました。

皆さんはこの“年収”と“身長”、どちらがネックになったと思いますか?

◆低身長の男性が、婚活で苦戦する理由

筆者は婚活コンサルとして婚活の現場を長年見ていますが、低身長の男性は非常に婚活に苦戦します。婚活の不人気要素は、薄毛、喫煙者、一人っ子、実家暮らしなど様々ありますが、これら以上に低身長は苦戦します。たとえ年収1000万円以上でも、低身長というだけで出会いのチャンスが減ってしまうのです。

職場恋愛などでリアルの場であればさほど身長は重視されず、人柄や仕事ぶりで好意をもち親しくなるでしょう。でも条件検索の出会いでは、先に数字が見えてしまう。条件検索の出会い方で人気になるのは、NG要素がないバランスが良い男性です。女性がお相手の条件を設定する際「特に高身長を望むわけではないけど、とりあえずこれくらい」で「身長165cm以上」を選ぶ人が多いのです。

これを読んでいる独身女性の中で、相手の身長をさほど気にしない方がいるのならば、ぜひ「身長164cm以下」で検索して女性から申し込み(会いたいという意思表示)をしてほしいです。私が今の知識を持って婚活をすることがあれば、間違いなくそうします。結婚後に夫の身長が低くて損する場面も、高身長で得をする場面も、ほとんどないのですから。

◆「年収を上げて貯金も増えてから婚活したい」

婚活をしていた頃は、印象アップのためにヒゲ脱毛サロンに行ったり、ダイエットのためフィットネスジムに通ったこともあるそうです。ですがヒゲ脱毛は完了までやるのに15万円もかかるため断念。ジムも今は退会しています。

「今は婚活より、来年の簿記1級の試験に向けて頑張ろうと思ってます」と話す古川さん。簿記1級といえば、合格率が約10%の難関試験です。

彼が「年収を上げて貯金も増えてから婚活を開始して、いずれは家族を持ちたい」と考えていると聞き、筆者は少し意地悪な質問をしてみました。

【問題1】今の男性は何歳ぐらいで結婚する人が多いでしょうか?
【問題2】今結婚する夫婦の年齢差はいくつでしょうか?

皆さんも、ちょっと考えてみてください。

◆情報不足と誤解で、若さを無駄遣いする人たち

古川さんの回答は「35歳ぐらいで結婚する人が多くて、夫婦の年齢差は5歳ぐらい」でした。

ですが【問題1】の男性の初婚年齢ピークは「27歳」が正解です。

「晩婚化」という言葉があるので、結婚する年齢が遅くなっているというイメージを持つ方は多いです。しかし、今も結婚する男性の年齢ピークは27歳です。厚生労働省の令和4年人口動態調査によれば2022年の男性の平均初婚年齢は31.1歳(女性は29.7歳)ですが、これは20代前半で結婚する人が減り、中高年で結婚する人が増えたためです。平均が31.1歳でも31歳で結婚する人が最も多いわけではなく、結婚する男性が最も多い年齢は27歳(女性も27歳)なのです。

【問題2】の夫婦の年齢差の正解はどうでしょうか。同調査によると、初婚夫婦の平均年齢差(2022年)は1.5歳差。「でも年収が高ければ若い女性と結婚できるのでは」と思う人もいるかもしれませんね。株式会社IBJの「成婚白書 2023年度版」によれば、男性の年収が高いほど相手との年齢差がひらく傾向はあるものの、年収1000万円の男性でやっと―4.8歳差です。

仮に古川さんが5年後に年収が100万円アップしていたとしても、35歳で5歳年下の女性を希望すれば高望みになり、20代の時より婚活に苦戦して詰んでしまう可能性が高いのです。

ただし、これらの情報は知らない人の方がほとんどだと思います。「晩婚化って言うし、30代〜40代で結婚する人が増えているんでしょう」と、アラサーの若さを無駄遣いしてしまう男性が多くいるのです。

◆お金に不安があるなら、民間より“自治体の”結婚相談所

古川さんはもし今後婚活を再開するとしたら、年収が上がってからマッチングアプリを利用し、結婚相談所利用も視野に入れるつもりだと教えてくれました。

婚活コンサルの立場から言わせてもらうと、この計画は危ないと思います。私が古川さんのように金銭面で不安がある人におススメしたいのは、民間ではなく自治体が運営する婚活サービスです。その理由は2つありす。

1つは、自治体が運営する婚活サービスは、一般的に民間の婚活サービスよりも利用料が抑えられていること。

結婚相談所で比較してみましょう。民間の結婚相談所パートナーエージェント(スタンダードコース/エリアIの場合)では、登録料と初期費用で110,000円(税込・以下同)、月会費が19,800円、成婚料が77,000円。いずれも結婚相談所の中ではごく平均的な金額です。

一方で自治体運営の場合、埼玉県が運営する結婚支援システム「恋たま(SAITAMA出会いサポートセンター)」の利用登録料は、2年間有効で16,000円のみ。月会費もかかりません。さらに、市町村や企業が会員になっている場合は、割引料金が適用されます。

2つ目の理由は、民間の結婚相談所は高額な費用という“ふるい”により、男女とも所得が高めの人が活用しており、学歴も高めの人が集まりやすい傾向にあることです。民間の結婚相談所は高収入や高学歴でない人にとって、不利になりがちな場なのです。

「恋たま」会員とパートナーエージェントの埼玉県在住会員の学歴データを比較すると、大卒以上の割合はパートナーエージェントの方がやや高く、高卒会員の割合はパートナーエージェントでは10%未満、恋たまでは男女ともに10%以上でした。

◆「お金がないと婚活できない」は解消されつつある

古川さんはこうした自治体のサービスがあることを知りませんでした。TVCMや広告をバンバン打っているわけでもなく、民間サービスよりずっと認知度は低いので仕方がないと思います。

先出の「恋たま」は費用が抑えられるにもかかわらず、一般的なマッチングアプリとは違って年収の証明書や独身証明書の提出が義務付けられており安心感があります。また、事前のメッセージのやり取りがなく、マッチングしたら対面の日程調整に進むのが特徴です。

2024年9月から、東京都でもAIマッチングシステム「TOKYO縁結び」を開始しています。登録料は11,000円(2年間有効)。価値観テストなどに基づき交際が成立する可能性の高い相手を紹介するもので、こちらも登録時には身分証のほか、年収の証明書、独身証明書を提出します。

「お金がないから、お金が貯まるまでは、本格的な婚活ができない」というのは、もうすぐ“過去の話”になるかもしれません。古川さんには、年収アップや奨学金完済を待たず1日も早く若いうちに婚活を始め、女性と接する経験を増やしてほしいと思いました。2025年の飛躍をこっそり応援したいです。

【古川さん】
年齢=彼女いない歴の30歳。非正規雇用を経て2024年から正社員に昇格。
【タメニー株式会社】(データ提供)
結婚相談所パートナーエージェントを運営。
<取材・文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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