今週の日曜日は、中京競馬場でプロキオンステークス(GII・ダート1800m)が行われます。
今年から中京ダート1800mが舞台となるプロキオンS。ここでは同時期、同条件で行われた15年以降の中京ダート1800mで開催された東海S(計8レース)を対象に紐解いていきたいと思います。
データ対象の8レースを見ると、前走の初角で10番手以内だった馬が7勝2着8回3着5回と良績を残しています。中京のダートコースは直線が410.7m。これは東京に次いで長くなっていますので、差しや追い込みが有利だと思われる方もいるかと思います。しかし、中京は芝、ダートともに3コーナーから4コーナーがスパイラルカーブとなっています。
スパイラルカーブとはコーナーの入り口から出口にかけて半径が小さくなるカーブです。出口ではコーナーがきつくなるので、外へ膨らみやすく馬群がばらけやすいと言われています。ただし、コーナーの出口(中京競馬場で言えば4コーナー)で膨らみやすいということは、後方に位置していた馬が外目へ持ち出すと大きな距離ロスが生じる可能性もあります。そのため、前走で後方に位置していた馬が同じような競馬をすると、距離ロスの影響で結果を残しにくいのではないかと考えられます。
実際、データ対象の東海Sでは初角10番手以内の馬が8勝2着7回3着5回と圧倒していますし、勝負所で好位置につけられる馬に分がある一戦と言えそうです。レース当日の位置取りを正確に把握することは難しいですが、前走初角のポジションを参考に各馬の評価を決めることも重要になってくるのではないでしょうか。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走初角13番手以下(ただし、前走GI出走馬は除く)
[0-0-0-14]複勝率0%
該当馬:カズペトシーン、ニューモニュメント、ホウオウルーレット、ミッキーヌチバナ
※特に言及のない限り、データは15年以降の中京ダート1800mで開催された東海S(計8レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるカズペトシーンが該当しました。
データ対象の8レースでは前走初角で10番手以内の馬に良績が集まっているのは先に書いた通りです。一方。前走初角11番手以下の馬は31頭が出走1勝3着3回と苦戦しています。その中でも前走初角13番手以下でそのレースがGIではなかった馬については好走例がありませんでした。前走がGIだった場合はレースやメンバーのレベルが高いため、その点を考慮する必要がありそうです。
該当馬に挙げたカズペトシーンの前走はGIIIの武蔵野Sで初角は14番手となっています。過去の傾向からは苦戦を余儀なくされる可能性が高そうです。
2走前や3走前に中京ダート1800mで勝利を挙げていますが、この2戦はどちらも差し馬が上位に来ており。展開に恵まれた面は否めません。また、この2戦はともに条件戦での結果。今回は重賞で先行勢にも力のある馬がいますので、前へ行ったら簡単に止まることもなさそうですし、展開に恵まれない可能性も考えたいところ。
近走が安定感十分の内容で人気になるのも頷けますが、今回は過去の傾向や条件的に苦戦するシーンも考えられます。配当妙味も薄いとなれば本馬の評価を下げて考えるのもひとつの手と言えるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。