今週からは開催が「中山・中京・小倉」の3場となる。重賞は土曜日に牝馬ハンデ重賞となるGIII小倉牝馬ステークス(GIII・小倉・芝2000m)。日曜日にGIIプロキオンステークス(GII・中京・ダート1800m)と、アメリカジョッキークラブカップ(GII・中山・芝2200m)が行われる。
過去10年データを使って狙いを探るこのコーナー。今週はAJCCをピックアップ。いつものように過去10年データから馬券のヒントを見つけていこう。
1.揃って消えることはない上位3頭?
まずは人気上位の成績から。過去10年、1番人気馬はわずか2勝で、成績は[2-3-0-5]。20年・21年と連勝していたが、22年・23年はルメール騎手鞍上の1番人気馬が馬券圏外に…。昨年も1番人気だったマイネルウィルトスは5着に敗れている。さて今年はどうなるかという感じ。
2番人気馬は[2-1-1-6]。3番人気馬は[2-2-2-4]。上位で馬券圏内成績がいちばん良いのは3番人気馬である。ちなみに、この上位人気3頭が揃って馬券圏内から消えることは過去10年ではない。軸馬は、上位3頭から選ぶのが正攻法といえる。
2.人気薄馬の激走はある?
上位圧倒という感じでもない分、4-7番人気馬がまずまずの好走傾向にある。
過去10年での馬券圏内30頭中、1-3番人気馬は合計15頭が圏内。対して4-7番人気馬は合計13頭が圏内に入っている。上位人気サイドと中位人気サイドをバランス良く組み合わせて馬券を構成するべきレースといえるだろう。
一方、8番人気以降のいわゆる人気薄勢から馬券になっているのはわずか2頭。18年3着マイネルミラノ(8番人気)、22年2着マイネルファンロン(11番人気)だけである。つまりこれまでの10年間で、「9番人気」「10番人気」「12番人気以降の馬」は1頭も馬券に絡んでいないのだ。人気薄馬には過度の期待はできないのかも…。
3.トリッキーなコースでリピーター登場?
トリッキーといわれる中山芝2200mのコース。中山芝2200mを舞台に行われる重賞というのはこのAJCCと、秋に行われるオールカマー、そして3歳のセントライト記念の3つ。これらはすべてGII戦である。
同じコースでよく好走していたウインキートスのような馬もいるが、意外にもAJCC単独で連続して馬券になっている、いわゆるリピーター馬はいない。今年のメンバーでは昨年の勝馬チャックネイトが出走予定。
さらにGIIオールカマー1着レーベンスティール、同レース2着アウスヴァール。セントライト記念2着コスモキュランダという好走組がいる。これらのリピートはあるのかどうか。
4.枠順・展開の注意点は?
過去10年、枠順に関してはほぼ有利不利がないといっていい。1-8枠まですべての枠から勝馬が出ており、2.3着馬含めてもほぼフラットといえる枠順成績だ。全体を見ると、わずかに1枠と3枠が少ないくらいだ。
あとは展開。過去10年で逃げた馬の勝利は1頭のみ(15年クリールカイザー)だけ。馬券圏内としてもほかに3着が1頭いる程度で、逃げ馬の成績はあまり芳しくない。
一方、レース中最速上がりを出していた馬は例年好成績を残している。のべ数では過去10年で9頭が馬券圏内になっている。やはり、先行・中団に位置して、速い上がりを使えるタイプは押さえておいたほうが良いだろう。