奈良・萱生環濠集落(かようかんごうしゅうらく)の西側斜面にある西山塚古墳は、この地域では珍しい古墳時代後期の前方後円墳。その麓に日本初となる宿泊施設が誕生した。特別なロケーションを生かして古代の思想“陰陽五行”と“五感”をテーマにした宿泊体験ができる施設『cofunia(コフニア)』だ。
経営母体となる会社cofunia(奈良県天理市)は、長年空き家となっていた築100年以上の古民家を活用したいという地元住民の思いを受け、その古民家を譲り受けたことがきっかけで2023年9月に設立された。全国から集まった約100人のボランティアが地元コミュニティーと協力してリノベーションを実施。クラウドファンディングを経て、木・火・土・金・水の陰陽五行をテーマにした4棟の宿泊棟と1棟の飲食棟へと生まれ変わった。
まず、「こがね(金の棟)」は、夜空に浮かぶ真鍮(しんちゅう)のシルエットが印象的で、静寂の中で心を落ち着けたい人にぴったり。「みず(水の棟)」は、童心に返り、冒険心を呼び覚ますロフトとツリーハウスの部屋だ。「つち(土の棟)」は、洞窟をイメージした独特のデザインで2階の寝室からは墳丘が見渡せる。「き(木の棟)」は、古材を使った温かみのある空間のため、家族や友人とゆったり過ごせる。そして、「ひ(火の棟)」は、以前使われていたおくどさん(かまど)を模したキッチンカウンターが特徴の飲食棟となっている。
西山塚古墳は、年間約25万人が訪れる「山の辺の道」ハイキングコース上にあり、第26代継体天皇皇后の手白香皇女のお墓とされる。墳丘からは大和三山を見渡せる絶景が眺望できるので、宿泊と併せてハイキングも楽しめる。宿泊料金は、1泊2日朝食付き2人で税込み3万2000円から。3月20日の春分の日にグランドオープンする。
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