2024年1月頃、繁殖場で生まれたメスのトイプードルのルル。茶色いクリクリの毛と愛くるしい瞳がかわいいワンコです。しかし繁殖場では「この犬、売り物にならない」とみなされ、生まれて間もなくして行き場を失いました。
パテラと心臓病の持病から「売り物にならない」と見放された
ルルは生まれつき後ろ足が奇形(パテラ)。心臓病の持病もあり、「売り物にならない」と判断されたようですが、筆者個人としては、ここが生体販売業のむごいところです。
生まれてきた命は等しく尊いはずなのに「奇形がある」「持病がある」というだけで生きる意味を否定するかのように放り出す。憤りと悲しみを感じるばかりですが、こんな経緯からルルは、一度ある保護団体に保護され、後に静岡県の保護団体・スリール〜犬達の幸せ探し〜に迎えられることになりました。
3本脚で歩くもルル自身は不便はない様子
ルルは生後6カ月の時点で体重はわずか1.8kgでした。片手でひょいっと抱っこできるほどですが、心臓のケアが必要なため、毎朝晩と薬を飲んでいますが、これにもルルはちゃんと付き合ってくれます。その愛らしい姿と健気な頑張りに、「えらいね」と声をかけたくなります。
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また、ルルはパテラの影響でいつも3本脚で歩きます。それでもルル自身は不便を感じていない様子で、預かりボランティアさんの家でリビングをうれしそうに駆け回り、また洗濯物から靴下をこっそり自分のスペースに持ち帰ってオモチャにしたりするなど、明るく少しヤンチャな一面を見せてくれます。
迎えられた優しい家族のパパさんは特にメロメロ
もちろん人間も大好きで、預かりボランティアさんにはいつも「抱っこして!」「なでて!」と甘えます。そんなルルの様子に、つい顔がほころんでしまうほど。そして、同じように感じたある家族から、「うちにおいで」の声がかかりました。
里親希望の家族全員が、「ルルのパテラや心臓病についても十分理解している」と言い、「ルルの長期的な治療を約束をする」「ルルと一緒に治療を頑張っていく」と心強い言葉をくれました。
ルルはこの優しい家族の元で第二の犬生を歩んでいくことになりました。
この家のパパさんは特にルルにメロメロ。ルルがちょっとでも甘えてくるとなんでも許してしまうほどで、「目に入れても痛くない」とも。また、ルル自身もこの家にいる先住犬のワンコとも打ち解けて、まるでずっと一緒に暮らしていたかのような仲良しになりました。
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毎日のお散歩タイムでは、近所のワンコ仲間とたくさん遊べるのもルルにとっての楽しみの一つになっているとか。これからもワンコ仲間をさらに多く作って、楽しい犬生が続いてくれると良いなと思いました。ルル良かったね!
(まいどなニュース特約・松田 義人)