フランス・パリのルーブル美術館が建物の老朽化などにより、美術品の保存状態が悪化していることを明らかにしました。美術館側のSOSを受け、マクロン大統領が改修計画を打ち出しました。
世界の美術館の中で、訪れる人が最も多いといわれるルーブル美術館。12世紀に要塞として築かれ、およそ230年前から美術館として使用されています。
ナポレオン1世の戴冠式を描いた歴史絵画や彫刻・サモトラケのニケなど、名だたる作品がそろう中、最も人気なのが…。
記者
「こちら、絵画のモナリザが展示されていまして、大混雑しています。1日およそ3万人が訪れるということです」
レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「モナリザ」です。あまたの名作を展示するルーブル美術館ですが、今、ある問題を抱えています。
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記者
「あちら、天井の塗装が剥がれ落ちているのが分かります」
天井の塗装が剥がれて水漏れが起きたり、壁の一部に亀裂が入っていたりするほか、著しい温度変化で美術品の保存状態が悪化しているというのです。美術館側は、政府に大規模な改修を求めて要望書を提出しています。
来館者
「雨による被害で部屋が閉鎖されることは確かにあるわ」
「問題なのは来館者がとても多いことだね」
来館者の増加も問題になっていて、去年はおよそ870万人が訪れ、設計当初の想定の2倍に。休憩所やトイレの設置も不十分で、要望書では「ルーブル美術館の訪問は肉体的試練だ」と指摘されています。
来館者
「トイレが少ないことは知っていたから、朝から水を飲まずに来たよ」
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こうした要望を受けたマクロン大統領は28日…
フランス マクロン大統領
「資金を調達するために(来年1月から)EU圏外からの訪問客の入館料を高く設定することにします」
マクロン大統領は、入館料の値上げやスポンサーの支援などの収入で改修を行う計画を示しました。また、「モナリザ」を専用の展示施設に移し、過密状態を緩和する計画も明らかにしています。