アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、4会合ぶりに利下げを見送りました。トランプ大統領は早期の利下げを求めていて、今後、圧力が強まることも予想されます。
アメリカのFRBは29日、現在4.5%を上限としている政策金利を据え置くことを決めました。利下げの見送りは4会合ぶりです。
先月の消費者物価指数は2.9%と3か月連続で上昇率が拡大していて、FRBとしては金利を高い水準に保つことでインフレの再燃を防ぎたい考えです。
FRBのパウエル議長は「経済は好調を維持していて、政策の調整を急ぐ必要はない」と述べ、利下げは慎重に進める姿勢を強調しています。ただ、このパウエル議長の姿勢はトランプ大統領の考えと溝があります。
トランプ氏は景気を冷やす金利の高止まりは避けたい考えで、先週「原油価格が下がれば、ただちに利下げを求める」と発言し、独立した政策運営が重視されてきたFRBに対して公然と圧力をかけています。
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パウエル議長は記者からトランプ氏の発言について問われましたが、「私は大統領の発言に対して反応もコメントするつもりもない。私がコメントするのは適切ではない」と述べるにとどめました。トランプ氏から直接の連絡はないとも明らかにしています。
一方、トランプ政権の政策が経済に与える影響については「関税、移民政策、財政政策、規制緩和で今後、何が起こるか分からない。経済への影響を評価するためには、これらの政策がもっと明確になる必要がある」と指摘しました。
日本時間午前6時の時点でトランプ氏はFRBが利下げを見送ったことに反応していませんが、今後、FRBに圧力を強めることも予想されます。