「Raspberry Pi Monitor」はキュートなデザインでどこへでも持ち歩きたくなるモバイルディスプレイだった

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2025年01月30日 12:31  ITmedia PC USER

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15.6型の「Raspberry Pi Monitor」。ブラックカラーも用意されている

 暦の上では立春も過ぎ、春はもうそこまで来ている――そんな気分にさせてくれるのが、英Raspberry Pi財団が発表した「Raspberry Pi Monitor」(SC0940)だ。


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 本製品は、国内ではKSYとスイッチサイエンスが取り扱っている。今回、正規代理店であるKSY運営のRaspberry Pi Shopで本製品を購入したので、その使い勝手などをレビューしていこう。なお、同日に発表されたキーボード一体型Raspberry Pi PC「Raspberry Pi 500」と合わせて使えればよかったのだが、現時点では国内未販売のため、一般的なWindows PCなどと接続していく。


●「Raspberry Pi Monitor」とは?


 本製品は、Raspberry Pi公式のディスプレイだ。1920×1080ピクセル表示(アスペクト比16:9)に対応した15.6型IPSパネルを採用しており、HDMI 1.4での映像入力に対応している。電源はUSB Type-Cで5V/1.5Aと少ない消費電力で済む。Raspberry Piボードからの給電にも対応するが、他の電源に接続した場合は60%の輝度、50%のボリュームに制限される。なお、タッチ操作は非対応だ。


 Raspberry Piのブランドカラーである赤をアクセントにしたデザインで、他のモバイルディスプレイでは見ないキュートさが魅力だ。キュートなだけでなく、背面には折りたたむことでフラットになるスタンドが用意されている。


 スタンドは、任意の角度で固定可能で、最大180度の角度まで開くことができる


 また、本体の左右とスタンドの下部にそれぞれ滑り止めのゴムが取り付けられている。この3点でしっかり机の面などをホールドするので、少し強めの力で押したり引いたりしても本製品が動くことはなかった。カフェなどの狭いテーブルで使う場合、最もリスキーな“少し触れただけで落下する”ということはないだろうと感じた。


 1.2W出力のスピーカーを2基と3.5mmヘッドフォンジャックも内蔵しているので、別途スピーカーを購入することなくRaspberry Piなどを活用できる。


 ボディーサイズは実測値で359(幅)×234(奥行き)×20(厚さ)mm、重量は846gだった。スタンド込みのモバイルディスプレイとしては妥当で、サイズを考えると「軽いな」という印象だ。とはいえ、教育現場で利用することを想定した製品なので、子どもたちにとっては重く感じるだろう。


 では、さっそく使っていこう。


●WindowsもMacもスマートフォンでも使える


 今回、本製品と組み合わせたWindows PCはONE-NETBOOK Technology製ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER 2」、macOSは「MacBook Pro 13-inch 2020」、Android端末はSamsungの「Galaxy S23 Ultra」だ。いずれもHDMIポートを搭載していないので、手持ちのドッキングステーションを、電源には20WのUSB Power Delivery(PD)対応のモバイルバッテリーを利用した。


ONEXPLAYER 2


 ONEXPLAYER 2は、上部にUSB4 Type-Cポートを、下部にUSB 3.2 Type-Cポートを備えている。どちらもDisplayPort Alternate Mode機能があり、映像出力に対応しているが、設置上の関係で上部のポートにドッキングステーションを接続し、本製品を利用した。


 当たり前だが、ミラーモードと拡張表示、どちらも問題なく利用できた。


 なお、PD20W対応のモバイルバッテリーから電源を取った本製品は、輝度/音量共に100%に設定できた。


MacBook Pro


 MacBook Proには4基のThunderbolt 3ポートがあるので、どれに接続しても差がないが、見た目やケーブルの取り回しを考え、ヒンジ近くの左側と接続することにした。こちらも当たり前のように使うことができた。


Galaxy S23 Ultra


 Samsung Galaxyシリーズのうち、フラッグシップモデルはSamsung DeXモードというデスクトップモードを搭載している。これは、外部ディスプレイを接続すると、PCのように使える機能のことだ。このモードが機能している間、スマートフォンをタッチパッドとして使うことができる。キーボードを別に用意すれば、ミニマムな作業環境を手に入れられるので、支持する人も多い。


 コンパクトなモバイルキーボードを用意すれば、カフェなどのサードプレイスで作業することもできそうだ。本製品は消費電力が少ないので、比較的安価なモバイルバッテリーさえあれば良い。電源を探し回って時間を無駄にするということも避けられる。


●出すだけで気分がアガる!


 「Raspberry Pi公式外付けディスプレイ」ということに、おののきながら購入ボタンをクリックしたが、実際に製品を試してみれば“フツーに使える”ディスプレイだった。


 Raspberry Pi Shopで「デスクトップモニター」と説明されているように、持ち運びには適さないかもしれないが、出先での作業にも耐えうると感じたし、他にはないカラーリングなので、バッグから出すだけで気分がアガる。


 黒いベゼルを持つモバイルディスプレイにはない良さが本製品にあるのだ。価格も2万円前後と安価だし、ほとんどのPCバッグが15.6型に対応しているので、気兼ねなく買って試してもらいたい。



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