バドミントン混合ダブルスの渡辺勇大(27=BIPROGY)が25年の日本代表内定辞退を報告してから一夜明けた30日、日本協会関係者は「(28年)ロサンゼルス五輪に向けた強化方針の変更を理解していただいた上での、渡辺選手の発信だと思います」とコメントした。
日本協会は21日に日本代表を発表。従来のA代表、B代表の区分を廃止し、新たにトップコミットメントプレーヤー(TCP)12人と強化指定選手を「日本代表トップチーム」とする編成を公表した。ロサンゼルス五輪に向けては、21年東京、24年パリに向けた強化方針から変更。24年9月以降は一部選手を除いて国際大会への派遣が自費になるなど“身の丈に合った”運営が始まっている。
渡辺はパリ五輪の混合ダブルスで五十嵐(旧姓東野)有紗(28=BIPROGY)とペアを組み、2大会連続で銅メダルを獲得。愛称“ワタガシ”は大会後に解散し、田口真彩(18=ACT SAIKYO)との新ペアを結成した。ダブルスはシングルスと異なり、世界ランクもパートナーによって変動することから、TCPからは外れる形となっていた。
日本代表の新ヘッドコーチ(HC)には大堀均氏が就任。渡辺を福島・富岡高監督時代にも指導した同氏は、21日の記者会見で「五輪を見ながら、試合にかける選手たちの思い、全てを犠牲にして取り組む姿にすごく感銘を受けて、この選手たちのサポートをしていければという気持ちもあり、お受けさせていただくことになりました」と就任に至る経緯を説明していた。
プロ選手として活動し、自身で遠征費を捻出している渡辺もインスタグラムに「日本代表としての活動は、ユニフォームやプロパティ等様々な制約があります。目指す指標が不明瞭なままこの制約を受けるならば、遠征費を捻出するために少しでもメディア、スポンサー露出やスポンサー活動、国内外イベントに参加できるよう、動きやすくしておいた方がよいと考え、今回は辞退という決断をいたしました」と記していた。
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バドミントン界の外にも広く知られた五輪メダリストは“ワタガシ”時代と異なるアプローチで、成長を目指していく。【松本航】
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