「値段そのまま47%増量」ローソン、過去最多の31品 幹部が語った「値下げ」にはない“絶大”な効果とは?

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2025年01月31日 10:51  ITmedia ビジネスオンライン

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ローソン、「盛りすぎチャレンジ」の第4弾を開始(発表会にて編集部撮影)

 ローソンは2月3日から、価格は据え置きでおにぎり・デザートなどの重量や具材を約47%増量する「盛りすぎチャレンジ」の第4弾を開催する。ラインアップを過去最多の計31品に広げ、話題喚起による来店客の増加を狙う。


【画像】重量や具材を47%増やした「盛りすぎ」なロールケーキ、ハムカツ、キャラメルコーン、焼豚弁当など(計9枚)


●計31品を展開


 同社はこれまでに「盛りすぎチャレンジ」を2023年2月(全12品)、2024年2月(全19品)、2024年6月(全11品)の計3回開催。消費者の節約志向が高まる中で「お得感」のほか、「ワクワク感」を打ち出してきた。


 第4弾で発売するのは、新商品25品を含む31品。2月4日から週替わりで、計3回に分けて発売する。1商品当たりの供給量は、前回と比べて平均して約1.2倍増やしており、人気商品の「盛りすぎ!プレミアムロールケーキ」(227円)は369万食を用意する。


 既存の商品を増量する上では、単に量を増やすだけでなく、仕様の再設計や製造ラインの見直しを行った。「盛りすぎ!大きな厚切りハムカツ」(173円)では、重量を増やしても衣が剥がれない調理方法を開発するのに苦心したという。増量によりあたため時間が増える商品については、容器の耐熱性についても見直しを行った。


●「お菓子」を拡充、狙いは?


 どのようなラインアップを展開するのか。


 今回、比率を増やしたカテゴリーが袋入りの菓子だ。「東ハト キャラメルコーン 47%増量 103g」(152円)、「ミニ歌舞伎揚 47%増量 114g」(138円)など、計9商品に増やした。


 前回までのラインアップは中食商品が中心で、量の多さから「家族とシェアして食べる」という購入者が多く見られた。そこでローソンでは「普段からシェアして食べるケースが多い大袋入りの菓子であれば、増量商品を支持する人が多いのではないか」と考えたという。


 また、店内調理の弁当やサンドイッチなどを販売する「まちかど厨房」から、「盛りすぎ!直火で炙った焼豚弁当」(592円)、「盛りすぎ!海鮮かき揚げ弁当」(592円)を新たに発売する。キャンペーンをきっかけに、「まちかど厨房」ブランドの新規購入者を増やす狙いだ。店内で調理して並べるため、品切れしても再入荷を待たずに補充できる強みもある。


●原材料高騰の中、なぜ?


 ローソンはなぜ、値下げではなく「内容量を増やす」施策を続けるのか。


 最大の理由が、消費者からの反響の大きさだ。「盛りすぎチャレンジ」は開始当初から品切れも相次いだ人気施策で、これまでの開催期間中に、来客数は前年の同じ週と比較して105%増加。各店舗当たり、1日30人ほど増えた計算になる(計3回の平均)。商品本部 商品本部長補佐の梅田貴之氏は「他の企画では、なかなかここまでの結果に結び付かない」とその手応えを話す。


 「目的買い」の来店客が集まることも大きな理由だ。梅田氏によれば、一般的な値下げ施策でも、対象商品の売り上げは10〜15%ほど伸長する。しかし、「既存の来店客が、安さに目を留めて購入する」という購買行動が多く、新規顧客の獲得にはつながりにくい。


 一方で盛りすぎチャレンジは、増量された商品の「見た目」のインパクトの大きさも相まって、SNSで拡散されやすい。20〜30代を中心に、新規の来店客の獲得につながっており、対象商品の売り上げも増量前と比較して約60%ほど伸びるという。


 とはいえ、原材料費といった諸コストの高騰は「一番の障壁になった」という。「増量」の候補となったものの、実際にコスト上の問題で実現しなかった商品企画もあったそうだ。


 しかし「これだけ反響がある企画はなかなかないので、社員のほとんどは『やりましょう』という意見だった」と梅田氏は話す。消費者からの要望も多いことから、すでに「第5弾」の実施も検討している。


 今回の第4弾では、通常時との比較で「7〜10%程度」の来客増を見込む。盛りすぎチャレンジは今回も同社にとって、新たなファンの獲得につながるか。



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