Windows 10サポート終了を控え、ノートPCの出荷は順調に推移

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2025年01月31日 12:31  BCN+R

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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2025年1月21日に24年12月のパソコン出荷台数を発表した。ここでは8割超を占めるノートPCを取り上げ、22年から3年間の出荷動向を比較。25年10月のWindows 10サポート終了(Win10 EOS)を見越した出荷により、24年は23年を大きく上回ったことが明らかになった。

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 JEITAの出荷台数はコンシューマー向けに加え、ビジネス向けも含んでいる。24年の出荷台数は655万3千台で、23年の557万6千台を大きく上回った。Win10 EOSのリプレース需要をまかなうため、24年は22年や23年と異なる動きを示した。

 例年、4-5月、7-8月、10-11月に出荷台数は減少するが、24年は23年ほど落ち込まなかった。20年1月のWin7 EOS時に需要が集中したことの反省を生かし、前もって買い替えを促していることが、出荷増につながった。GIGAスクール用の端末更新の時期も重なるため、25年の出荷台数は更に増加しそうだ。

 ここからは、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」を使い、販売の動向をみていく。ちなみにBCNランキングは、コンシューマ―向けのみの販売台数を集計しているため、JEITAの出荷動向とは動きが異なる。

 一年を通じてノートPCの最需要期である3月は、新年度に向けた買い替え需要だ。他に、1月は年初のセールによる需要、12月は年末商戦期にあたることから、販売台数は増加する。

 まず、22年1月の販売台数を「100.0」とした指数推移をみる。24年は1月から22年、23年を大きく下回った。3月の最需要期は22年に迫ったものの、その後、ほぼ前年割れで推移。しかし、12月にようやく23年を大きく上回る動きがみられ、Win10 EOSの兆候があらわれた形となった。

 次に22年の販売台数を「100.0」とした年間の指数では、23年は89.9と2ケタ減。24年は86.3と、23年をも下回る結果となった。出荷と販売の傾向が異なっていることは明らかだ。25年はWin10 EOSによるリプレース需要が見込めることから、24年よりも販売台数増になる可能性は高い。

 ノートPCの平均単価は、この3年で2万円近く上昇していることが分かった。22年1月は10万5千円程だったが、その年の12月は12万円近くまで値上がった。23年は上昇が一服、若干の下落傾向で推移。24年の8月以降、変動が激しく、12月には12万5千円近くまで跳ね上がった。こうした値動きの背景には、円安による部材の高騰が大きく影響。値の張るAI PCが各社から出揃い始めたことも少なからず影響している。

 25年は先ほどから書いているようにWin10 EOSによるリプレース需要が見込まれる。コンシューマ―向けでは、これまであまり動きがみられないことから、Win7 EOSの時と同様、直前になって需要が集中することが考えられる。(BCN総研・森英二)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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