1月27日、フジテレビは「週刊文春」のスクープ記事に端を発した一連の騒動に関する2回目の会見を開きました。1回目のクローズドな会見に対する批判を受け、今回は誰でも参加可能、時間無制限かつTV放送やネット配信もありというかなりオープンなもの。そこでは全く別の問題も見えてきました。
2度目の会見は、191媒体/437人もの人が参加し、10時間を超える、とても長いものとなりました。さすがにそのすべてを見てはいないのですが、正直グダグダだったなぁと感じました。フジテレビ側の応答の不十分さもさることながら、個人的にはメディア側の一部参加者の質の低さがとにかく目立った印象です。
質問ではなく、ただ自分の考えを長時間話したり、ヤジを飛ばしたり、相手を脅すような口調でまくし立てたり……取材というよりは、主張や抗議活動のようにみえました。うがった見方ですが、中には売名が目的なのかな? とさえ感じてしまうケースもありました。
YouTubeやネットメディアの拡大により、誰でも名刺さえ作ればフリーランス記者やジャーナリストを名乗れる時代の弊害なのかもしれませんが、正直、見ていて気分の良いものではありませんでした。
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●「湘南ゴミ拾いオフ会」知ってる?
ところで、フジテレビへの抗議といえば、2002年の「湘南ゴミ拾いオフ会」というのを皆さんはご存知でしょうか? 当時はサッカーの「日韓ワールドカップ」などが行われた時期で、フジテレビはニュースや中継で不自然なほど韓国を推しまくり、一部視聴者からひんしゅくをかっていました。
そんな時、「2ちゃんねる」(当時)の有志が集まり、「27時間テレビ」のゴミ拾い企画が行われる前に、海岸のゴミをすべて拾ってしまおうという嫌がらせ……ではなく、抗議活動を行ったのです。ゴミがなければゴミ拾い企画は成り立ちません。
ボクはこのことを後で知ったのですが、思わず笑ってしまいました。当日はフジテレビへの抗議のために遠方からも人が続々と駆けつけ、夜を徹して海岸から一切のゴミを排除したそう。誰が言ったか「悪意ある善行」。当時の2ちゃんねるのノリの良さがうかがえるエピソードでもあります。
たとえ正当な批判や抗議であっても、あまりにも攻撃的なものを見ると個人的にはしんどくなってしまいます。同じ抗議でも、湘南ゴミ拾いオフ会のように、聞いた人がクスリとできるカタチがいいなぁ……と、今回の会見を見て一人考えていたのでした。
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●著者紹介:サダタロー
1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。
●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。
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