「YKKのファスナー」ガチャに登場 なぜファスナーを“推し色”にしたの?

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2025年02月03日 06:21  ITmedia ビジネスオンライン

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どの色が好き? YKKのカプセルトイが話題

 YKKがファスナーをブレスレットにした商品を、バンダイのカプセルトイ「ガシャポン」(1回300円)で販売している。


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 ピンクやブルーなど7色の「くすみカラー」を採用し、SNSでは「推し色」を求める投稿が相次ぐなど、反響を呼んでいる。YKKにとって初のカプセルトイ商品で、消費者との新たな接点をつくる狙いだ。


 「ファスナーブレスレット」は、樹脂製のファスナー本体を輪っかにしてつなげ、実際に開け閉めできる仕様とした。再生材比率が約67%の素材を採用し、ブレスレットとしてだけではなくバッグなどのアクセサリーとしても使える。


 カプセルトイでの販売を選んだきっかけは、同社が商品購入者向けに「樹脂カラビナ」(開閉できる部品ついた金属リングのこと。登山などで使われることが多い)のガチャを実施したところ、好評を博したことだった。「ガチャだけでも回したい」という声が多く寄せられ、バンダイに企画を持ち込んだところ、同社にとって初となるカプセルトイでの販売が実現した。


 「消費者から直接、商品への関心を示してもらったことで、新たな可能性を感じた」と、同商品の企画・開発を担当した佐藤秀樹さんは振り返る。


●若年層に人気の「くすみカラー」を展開


 YKKはファスナーを使った商品を、以前から製造している。ブランドと環境に配慮した製品づくりを広く訴求するため、ファスナーのストラップなどを限定販売したほか、キッザニアで子ども向けの景品を配るなど、消費者との接点づくりを続けてきた。


 しかし、YKKの認知度は中高年層に比べて若年層では高くないという。ファスナーの耐久性が向上し壊れにくくなったことで、ファスナーを意識する機会が減少しているためだ。


 そこで、ファスナーブレスレットでは、若年層に人気の彩度を抑えた「くすみカラー」を採用した。くすみカラーは、「推し」のアイドルやキャラクターを象徴する「推し色」を意識した色味として、Z世代を中心に人気を集めている。


 「推し色は7色で構成されることが多く、『推し活』にも使いやすいということで、今回の色を選定した」と佐藤さんは語る。開発にあたって、赤色のくすみカラーの色出しが難しく、納得のいく発色になるまで調整を何度も繰り返したという。


 また、アウトドアなどで利用される同社の「樹脂カラビナ」の売り上げも後押しした。「カラビナはもともと原色で展開していたが、くすみカラーに刷新したところ、それまでにない反響が生まれた」と佐藤さんは振り返る。この経験を生かし、ファスナーブレスレットでもくすみカラーでの展開を決めた。


●開発では安全性を重視


 ファスナーブレスレットは15歳以上を対象とし、バックル部分は負荷がかかると外れる仕様にした。また、新生児の頭が入らない長さに設定するなど、安全性にも配慮している。アクセサリーとして使用されることを想定し、細かい部分を見直して改善を重ねた。


 販売から2カ月が経過し、売り切れの店舗も出るなど好調に推移している。特に、工場のある富山県では、YKKの認知度が高いこともあり、反響が大きかったそうだ。


 「トレンドのくすみカラーを採用したことで、狙い通りの世代に響いたことを実感している」と佐藤氏は手応えを語る。実際に、購入者からの評判も上々だ。


 SNSでは「推し色」の交換を求める投稿や、「YKKのファンだからほしい」というコメントが目立った。また、バックル部分の品質の高さを評価する意見も多く、パーツのみの販売を望む声も寄せられている。


 同社は、今後もスマホ用のショルダーストラップなど、消費者に身近な商品を開発していくという。また、ブランドの認知度を高めるため、キッザニアでのワークショップなど、実際に消費者と触れ合う機会を増やしていく考えである。「一般消費者にもYKKを直接体感してもらえるよう、身近な商品を継続して検討していきたい」(佐藤さん)


 YKKは、ファスナーの可能性を広げながら、新たなファンの“心のファスナー”もそっと開けようとしている。


(カワブチカズキ)



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