東京女子医大の新校舎建設を巡る背任事件で、同大付属病院「東医療センター」(現・足立医療センター)の移転に伴う新病棟建設工事でもアドバイザー報酬名目で計約1億7000万円を不正に支出したとして、警視庁捜査2課は3日、背任容疑で、同大元理事長の岩本絹子容疑者(78)を再逮捕した。認否は明らかにしていない。
支出した金のうち計約5000万円が岩本容疑者に私的に使われた疑いがあり、同課は新校舎建設費の支出を含め、私的流用額は総額約8700万円に上るとみている。
再逮捕容疑は2020年3月〜21年9月、東医療センター移転に伴う新病棟建設工事の建築アドバイザー報酬などとして、16回にわたり、1級建築士の男(68)に計約1億7000万円を不正に支出し、同大に損害を与えた疑い。
建築士には報酬などとして計約1億8400万円が支出されたが、同課は、本来大学側が支払うべき金額は1400万円超だったと判断した。支出額のうち、岩本容疑者は、建築士との事前の相談に基づき、税引き後の金額の3分の2を自身に還流させていた。
岩本容疑者は同様の手口で、新校舎建設に関する支出についても、約3700万円を自身に還流させたことが明らかになっている。
捜査関係者によると、私的流用した金は、金塊やブランド品の購入などに充てた可能性があるという。