大阪・関西万博(4月13日開幕、大阪・夢洲)で、映画作家・河瀬直美氏(※瀬=旧字体)がプロデュースするシグネチャーパビリオン『Dialogue Theater -いのちのあかし-』の概要が3日、大阪市内で発表された。
【写真】万博パビリオンへの意気込みを語った河瀬直美氏 万博のテーマ事業として、各界の8人のプロデューサーが各テーマに沿ったパビリオンを展開。河瀬氏のパビリオンは、「対話」を通じて「分断」の解決策に迫る。「万博184日間、毎日が人類史上、はじめての対話」と銘打つ。
パビリオンは、「エントランス棟(ホワイエ)」「対話シアター棟」「森の集会所」「記憶の庭」で構成され、森の中にたたずむイメージ。建築は、廃校舎を再利用。奈良・十津川村の旧折立中学校、京都・福知山市の旧細見小学校中出分校の校舎のほか、シンボルツリーとして、推定樹齢100年のイチョウの木も移植された。
木造校舎に入った来場者は、チャイムが鳴ると、150席のシアターに着席する。映画館のようにブザーが鳴り、ホワイエで選ばれた来場者と、スクリーン上の対話者が、筋書きのない「対話」を繰り広げる。対話が終わると、河瀬氏ら世界中の気鋭な映画作家が制作したエンディングムービーが流れる。その後、来場者は集会所で余韻を楽しむ。
スクリーンに現れる対話者は募集しており、ワークショップを事前実施。対話のテーマは、戦争・紛争・国家・宗教などの「分断」を意識しながら、毎回さまざまになり、YES・NOではない問いを投げかける。
参加する映画作家では、河瀬氏のほか、イスラエル、ウクライナ、イライン、メキシコ、イギリスの面々が紹介された。