2月2日(日)の放送テーマは、「その飲み方NGです! 正しく知ろう経口補水液」。消費者庁 食品表示課 保健表示室 企画第ニ係長の挽地聡美さんに、経口補水液の用途や正しい飲み方について伺いました。
(左から)杉浦太陽、挽地聡美さん、代演パーソナリティのハシヤスメ・アツコさん
経口補水液と聞くと“熱中症対策の飲み物”というイメージを持つ人は少なくありません。しかし、喉を潤すためにスポーツドリンク感覚で飲んだり、“健康に良さそう”という先入観で日常的に飲み続けていると、逆に健康を害する可能性があります。今回は、経口補水液の正しい知識を学びましょう。
◆“経口補水液”について理解しよう
嘔吐や下痢、大量の汗などによって体から水分やナトリウムなどの電解質が失われた状態を脱水症といいますが、経口補水液は、その脱水症の治療に用いる“病者用”。つまり、病気の方のための飲み物です。
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経口補水療法は、点滴の代わりに水分や電解質を口から補給する治療法で、「“失われた水分や電解質を体に素早く吸収させるために”考えられた飲み物が経口補水液です」と挽地さん。つまり、経口補水液は脱水症状が出ているときに飲むもので、熱中症予防のために飲むものではありません。
◆経口補水液に書かれたラベルを確認しよう
「赤ちゃん用ミルク」「飲み込みが困難な人」「病気にかかっている人」など、特定の人に向けた食品であることをパッケージに表示する場合には、国の許可が必要で、この許可を取得した食品のことを「特別用途食品」と言います。国が審査し、規格や要件を満たしていれば許可を得ることができます。
経口補水液も「病気の方のための飲み物」であるため、特別用途食品の許可を得る必要があります。また、挽地さんは「2023年5月に制度を改正して許可を得るようになりました。『経口補水液』と書かれた食品のラベルには、主に“感染性胃腸炎による下痢・嘔吐の脱水状態に適する”と書かれています」と補足。感染性胃腸炎というのは、ノロウイルスなどへの感染が原因の胃腸炎のことを指します。
ちなみに、経口補水液のなかには「熱中症による脱水状態に適した食品」であることを表示しているものもあります。購入する際は、ラベルの内容をよく確認しましょう。
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経口補水液は、医師や管理栄養士など医療関係者からの指導による使用が推奨されている飲み物です。そのため、誤った飲み方をしないように正しい使い方を知っておくことが大切です。
経口補水液は、スポーツドリンクよりも塩分やカリウムが3〜4倍多く含まれています。そのため、塩分やカリウムを制限されている方が飲み方を誤ると、健康に大きな問題を引き起こすおそれがあります。
スポーツドリンクは“日常の水分補給”に、経口補水液は“脱水症状が出ているときの水分や電解質の補給”に使用するものと意識してください。さらに、経口補水液には糖質も含まれていますので、糖質制限を指示されている場合も注意が必要です。使用前に必ず医師に相談しましょう。
もし、医療関係者から経口補水液の使用を指導された場合、購入時は「経口補水液」と表示されていることに加えて、「特別用途食品」の許可マークがあるものを選びましょう。認可マークの特徴について、挽地さんは「アルファベットの“e”のなかに丸と三角が描かれています。特別用途食品には、この許可マークが表示されています」と説明します。
そして最後に、「経口補水液は特別用途食品であり、脱水症を治療するための飲み物です。ノロウイルスなどを原因とする、感染性胃腸炎による下痢・嘔吐に伴う脱水状態のときに使用できるものもあれば、熱中症による脱水状態のときに使用できるものもあります。経口補水液の正しい知識を持ち、ラベルの内容をよく見て使用してください」と呼びかけました。
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(左から)杉浦太陽、代演パーソナリティのハシヤスメ・アツコさん
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2月2日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年2月10日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
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