奈良市で2022年7月に起きた安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われている山上徹也被告（44）の第6回公判前整理手続きが4日、奈良地裁で開かれた。山上被告は前回に引き続き、出席しなかった。山上被告の弁護団は手続き後の取材で、手製銃の使用が銃刀法違反に該当するかが裁判の重要な争点になることを示唆した。
手続きは非公開で実施。裁判官と検察官、弁護人の3者が出席し、約40分で終わった。地裁によると、裁判員裁判で実施されるとみられる公判に向けて争点や証拠の整理を進めた。
手続き後に記者団の取材に応じた弁護団は、「争点について主に銃刀法違反の話をした」と説明し「（山上被告が作った）手製銃はかなり特殊で一般的に想定されるものではない。具体的に（銃刀法違反の）どの構成要件にあたるのか、難しい問題があり、慎重に扱わざるを得ない」と述べた。
公判の開始時期は未定のままで、「（法曹）3者で見通しを共通するには至っていない」という。
今回も出席を見送った山上被告について、弁護団との面会の際に欠席の意向を示したと明らかにしたが、具体的な理由については言及しなかった。【木谷郁佳、田辺泰裕】
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