「人手不足倒産」、2年連続で過去最悪を更新 特に厳しい「2業種」とは

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2025年02月05日 05:21  ITmedia ビジネスオンライン

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人手不足による倒産件数が2年連続で過去最多(提供:写真AC)

 人手不足による倒産が深刻化している。帝国データバンクが調査結果を発表し、2024年に従業員の退職や採用難などを原因とする「人手不足倒産」が342件発生したことが分かった。2023年(260件)から大幅に増加し、過去最多を2年連続で更新した。


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 人手不足を感じている企業の割合は、2024年12月時点で52.6%。新型コロナウイルスの感染拡大で一時的に緩和した2020年以降、急上昇して高止まりが続いている。「団塊世代」のほとんどが75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」に代表されるように、労働者の高齢化も深刻化している。


 業種別では「建設業」(99件)が最多で、「物流業」(46件)が続き、時間外労働の上限規制を適用する「2024年問題」に直面した両業種で全体の約4割を占めた。そのほか「飲食店」(16件)、「美容業」(9件)、「労働者派遣業」(8件)、「警備業」(6件)なども増加した。


 倒産件数が最も多かった建設業は、今後も深刻な人手不足が想定される。景況感は良いものの、毎月勤労統計では総実労働時間や出勤日数などが減少傾向にある。背景には時間外労働の上限規制もあるが、人手不足で労働時間が減少した影響も大きいと考えられる。


 その他、高齢化も大きな課題だ。60歳以上の割合は建設業が23.9%で、全業種を大きく上回る。物流業も18.6%でやや低いものの、50歳以上の割合は49.5%と約半数にのぼる。今後も両業種の労働時間と就業者数は増加が見込みにくく、省力化・効率化が急がれる。



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  • 経営者の高齢化による廃業も増えている。体力の限界・店舗や設備の老朽化も深刻。同時に個人経営が減り跡地は大手チェーンだったりまんし・駐車場だったり。
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