「2年間一軍で投げられていないですし、何か変えた方がいいかなというのを監督、コーチと話して、もっと下げたいんですけど、はいという感じです」。
ロッテの二木康太は、肘を下げた新しいフォームで新シーズンに挑む。近年は投球フォームで試行錯誤していた。「23年から24年の頭にかけては横の時間を短くして球を強くしようと思ったんですけど、球速自体は上がりましたが、バッターの反応が良くなかった。自分の特徴的なフォームで勝負していくというか、大事なのかなと思いました」と、昨年は二木独特の投球フォームで投げた。
それでも、昨年の秋季練習では「ストレート、フォームの部分で気になるところがあるので、そこをしっかり修正していい球につながっていければなと思っています」とフォーム、ストレートの強さを求めるため修正していたが、肘を下げたフォームへの変更も“フォームの部分で気になった”部分が関係していたようだ。
二木は「最終的には肘を下げることが目標ではなくて、強い球を投げられる位置でやろうというので始まって、腕を下げてちょっといいんじゃないかということで。秋(季練習)が終わってから12月、1月に自分でいろいろ試しながらという感じでした」と振り返る。
肘を下げてストレートが強くなっている感じがしているか訊くと、「でもまだまだかなと思っていますけど」と納得のいくボールが現段階では投げられていない。
肘を下げる前は持ち球としてフォーク、スライダー、カーブを投げていたが、肘を下げたことで「スライダーが横曲がりが大きくなってというのがあるんですけど」としながらも、武器であるフォークは「ちょっと上から投げるのとはだいぶ感覚が違うのですごく難しい」と話す。
「新しいことをやって全然違うので大変なんですけど、いろいろと発見もあって楽しいと言ったらおかしいですけど、新鮮な感じで野球ができているかなと思います」。
肘を下げたことで、シュートやツーシームといった動かすボールを投げたりはしないのだろうかーー。
「まだ、(練習は)してないです。最終的には右のインコースにシュートを投げられれば最高だなと思うんですけど、練習するところがいっぱいあるので、他のところが形になってきてからかなと思います」。
4年目の17年に自身初の規定投球回に到達し、20年にシーズン自己最多の9勝をマーク。翌21年には開幕投手を務めたが、22年に一軍で9試合登板したのを最後に2年間一軍登板がない。昨年秋に取材した時には、一軍で投げられるのであれば、ポジションにこだわらない姿勢を見せた。プロ12年目の今季、生まれ変わろうとしている。
取材・文=岩下雄太