“睡眠後進国 日本”を変える? 経産省が指揮する睡眠テックウェアが初披露

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2025年02月06日 16:41  Fashionsnap.com

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 経済産業省、NTT DXパートナー、コネルが、合同で“睡眠後進国”と称される日本の睡眠環境を改善するためのプロダクト「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」を開発した。今年開催される大阪・関西万博での本展示に先駆けて、2月7日と8日の2日間原宿で体験会(事前予約制)を開催する。

“睡眠を持ち歩く”アパレルの商用化目指す
 ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEMは、OECD加盟国で最も睡眠時間が短いとされる日本の睡眠環境を改善するために、情報の溢れる社会の中で唯一の休息環境(=オフライン環境)を日常の中に生み出すために開発。「疲労回復」「疲労蓄積の予防」「作業効率アップ」といった効果があるとされる「仮眠」に対して、1日の睡眠を一度にまとめて取るのではなく、複数回に分けて取る「分眠」の考え方を採用し、ウェアラブルデバイスによって取得した心拍数や心拍変動をもとに自律神経やストレス値を計測することで、最適な睡眠環境を屋外でも提供する。

 ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEMを搭載したコンセプトモデルは、ダウンコート型のウェアとヘッドギア、睡眠計測スマートリングを展開する「SOXAI」のスマートリングの3アイテムで構成。原宿で開催される体験会のほか、2025年6月下旬以降、2025年大阪・関西万博の「健康とウェルビーイングウィーク」と連動する形での体験提供を予定している。

 同コンセプトモデルでは、スマートリングによって着用者の睡眠状態やストレス値などの生体データを計測し、個人の状態に合わせた最適な睡眠環境を提供する。顔まわりにフィットするヘッドギアにはヘッドホンを内蔵し、外の喧騒を遮断するほか、入眠に適した周波数帯域の2種類の音楽(ニュートロミュージック)によって睡眠に没入できる環境を演出。このほか、額部分にあしらわれたライトが入眠時には夕焼けの色に近い赤色に明滅することで入眠を促進する。起床時には心地よく起きることができる音楽と目の覚める青色照明が働きかけ、20分程度の分眠と起床をスムーズに切り替えるという。

 ロングダウンコートをベースとしたウェアデザインは、日本古来の布団をかぶったような防寒着「夜着」に着想。色は目に優しい淡いブルーを採用した。袖や裾のドローコードや袖口のタブによって圧着感を調整することで、着用者に合った寝やすさを提供し、ヘッドピースの上からフードを被ることで着用時の眠気や温度、周辺環境に合わせて調整が可能。着脱型フードエアパック入りの襟は、サポート構造で首元を支え、睡眠中の安定感を向上させることで首や肩の負担を軽減する。エアパックは呼気吹き込み式を採用し、好みの大きさに調整ができる。なお、今後の商用化に向けて、コートやヘッドギア以外のアイテムの展開も予定している。

 ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEMは、「アパレルブランド」ではなく「睡眠システム」として展開。万博での発表後は、NTT東日本グループ施設内および関連施設などでの展示を予定しているほか、国内外のさまざまなブランドとの協業でアパレルアイテムの開発・商用化を目指すという。
経産省が推進する「PHRデータ」活用とは
 同プロジェクトは、経済産業省が指揮するデジタル技術を活用したヘルスケアサービスの創出を支援する「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業」の一環として始動。異分野からのヘルスケアサービスへの参入や、サービス間の連携を促すために開発が進められている、PHR *(Personal Health Record)データの情報連携基盤「PHR CYCLE*」(今年4月ローンチ)のユースケースの1事例として実現した。経済産業省 ヘルスケア産業課の明石順子氏は「新たなライフスタイルのあり方として、個人がPHRを活用して自分の健康状態を可視化し、自ら健康な生活に取り組んでいただくことに期待しています。医療機関や薬局等に限らず、食事や睡眠、運動といった日常生活の中で接点のあるさまざまなサービスも、個人の健康状態に合わせたサービスの提供が可能であろうという考え方から、“あらゆる産業がヘルスケアサービスの担い手になる”世界を体現すべく取り組んでいます」と説明した。
*PHR:健康診断結果をはじめとする体重、血圧、血糖値等の情報、ウェアラブルデバイスやセンサー機器等で取得される食事、運動、睡眠等の健康医療情報。
*PHR CYCLE:データを提供する「PHR事業者」とサービスを創出する「サービス事業者」のPHR連携を行う情報連携基盤。利用者のオプトイン(同意)に基づいてPHRを流通させ、利用者が安心安全にPHRサービスを利用できる環境を創出し、事業者間のデータ流通が可能となる環境を用意することで、PHRサービスの社会実装の加速化を目指す。ユーザーは、ID登録と各アプリのデータ連携を行うことで、パーソナライズされた各ユースケースを体験できる。

◾️ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM 体験会期間:2025年2月7日(金)〜2月8日(土)会場:Frame Gallery所在地:東京都渋谷区神宮前4丁目27−6 Y.S.Jビル 地下1階営業時間:10:30〜19:30 ※14:30〜15:30はシステムメンテナンス時間予約ページ公式サイト ◾️万博での展開期間:2025年6月24日(火)〜7月7日(月)展示エリア:FLE(フューチャーライフエクスペリエンス)内

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