写真 東京・池上のショップ、ギャラリー「DAILY SUPPLY SSS」が、資生堂の企業文化誌「花椿」の元編集者 林央子が手掛ける個人雑誌「here and there」の最新号発売を記念したイベント「here and there vol.16 reading room」を開催する。期間は2月19日から3月2日まで。
here and thereは、2002年の春に創刊。アート、ファッション、ライフスタイルといったテーマを国内外問わずボーダーレスに取り扱うマガジンで、現在までに全15号を発行している。
同書を手掛ける林は、2023年からロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)の博士課程でファッション分野の研究に取り組んでいる。「ともに生き、ともに考え、ともにつくる(Living, Thinking, and Creating Together)」をテーマとする研究の中で同氏は、これまで自身がhere and thereを通して実践してきたオルタナティブ出版の中でも、とくに「ZINE制作」に通じる「個人が自分の好きなものに対してどのような考えを持っているかを語る」という特性に着目。参加者自身がZINEを通してファッションについて考え、自分の言葉でまとめることで、消費に依存せず能動的にファッションに向き合うことができるのではないか、という考察のもとイベントを企画したという。
同イベントでは、here and thereの初期のバックナンバーから最新号までを展示するほか、同氏が1990年代のパリファッションウィークで撮影した写真やレポート、スーザン・チャンチオロ(Susan Cianciolo)、エレン・フライス(Elein Fleiss)、マイク・ミルズ(Mike Mills)、マーク・ボスウィック(Mark Borthwick)、ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)といったアーティストたちとの交流を紹介するドキュメントブックといった林の創作活動およびhear and thereの関連書籍を閲覧することができる。このほか、同氏が在籍する博士課程を受験した際に制作したZINE「だれもが受動的な消費者でなく、人生に積極的に参加していると思えるために、ファッションができることは何だろう?」に関連して、同氏と関係の深い世界中の研究者たちが制作したZINEを展示販売する。here and thereの最新の取り組みである「here and there vol.16」は、こうした展示や合本の販売、ZINEの展開やワークショップといった複合的な要素で構成され、here and thereの歴史を紐解き、次へ繋げる試みだという。
◾️here and there vol.16 reading room会期:2025年2月19日(水)〜3月2日(日)※会期中休み 23日(日)、24日(月)、25日(火)会場:DAILY SUPPLY SSS所在地:東京都大田区池上3-41-3営業時間:12:00〜18:00