楽天モバイルといえば、サービスエリア内で「データ通信無制限」をうたい、どれだけ使っても月額最大3278円(税込み、以下同)の「Rakuten最強プラン」が売りだ。各種割引適用前の月額料金は、3GBまでが1078円、3GBから20GBまでは2178円、20GB超過後は3278円の3段階制となっている。
Rakuten最強プランでは、データSIMも提供されていることをご存じだろうか? 通常タイプとデータタイプの2種類に分かれており、音声通話を利用できる通常タイプと、音声通話を利用できないデータタイプから必要に応じて選べるようになっている。今回は通常タイプとデータタイプの違いを整理する。
●通常タイプとデータタイプの違いは?
通常タイプは、音声通話を利用したい人向けのSIM。スマートフォンに標準搭載されている音声通話アプリに加え、Rakuten Linkアプリでの音声通話を行える。当然、110(警察)や119(消防)への緊急通報も可能だ。メールについては、いわゆるキャリアメールの楽メールを利用できる。MNP制度を利用し、携帯電話番号を変えずに、他社へ乗り換えることも、この通常タイプでは可能だ。
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一方のデータタイプでは、緊急通報を含む音声通話、キャリアメール、MNP乗り換えが行えないが、LINEアプリなどの認証に必要なSMS認証コードの受信、ViberやLINEアプリでの通話は可能だ。
通常タイプもデータタイプも月額基本料金に差はないが、データタイプには大きなアドバンテージがある。それは、契約時に「本人確認書類の提出不要で即開通できる」ことだ。ただし、データタイプ申し込みには楽天カードが必要となり、即開通はeSIMを選択した場合に限られる。
楽天モバイルは、データプランの契約時には、楽天会員情報に登録されている本人名義の楽天カードで本人確認を行う代わりに、支払い情報や氏名、住所などの手動入力を省いており、Rakuten最強プランを「手軽に申し込める」とアピールしている。
なお、通常タイプは基本的に契約時の本人確認が必須となっている。ただ、楽天銀行、楽天証券、楽天生命のいずれかに加入している18歳以上の人なら、本人確認書類を撮影してアップロードする必要がない。
携帯電話の音声サービスでの本人確認は、犯罪防止の観点から、携帯電話不正利用防止法で義務化されている。データ通信専用SIMについては、携帯電話不正利用防止法の対象外となっており、音声通話付きのSIMについては、本人確認を省略するのではなく、楽天の金融サービスに登録されている情報から本人確認をするため、法的には問題ないとしている。
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●音声タイプからデータタイプへの変更はできる?
お試しでデータタイプを申し込み、つながりやすさを実感できたら、音声通話も利用したいという人もいるだろう。Rakuten最強プランは、データタイプから通常タイプへの変更が可能なため、そうしたニーズにも対応している。
この変更受付は楽天モバイルが2023年10月25日から行っている。Rakuetn最強プランのユーザーは、my 楽天モバイルのWeb版とスマートフォン向けアプリ版の両方で手続きできる。
変更方法は、my 楽天モバイルから「契約プラン」→「各種手続きへ進む」→「プラン変更」まで進め、通常タイプへ変更する電話番号を選択して「プランを選択する」と操作。加入するオプションサービスや申込内容を確認して本人確認書類をアップロードし、後日郵送される書類のQRコードを読み取れば手続きが完了する。
無事に変更されたかどうかを確認するには、my 楽天モバイルのホーム画面から「データタイプ」の表示を確認するといい。データタイプが表示されなくなっていれば、通常タイプへ変更されている証だ。実際にデータタイプから通常タイプへ変更した場合、音声通話を利用できるまでにかかる時間は、手続きの完了後5分程度となっている。
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なお、通常タイプからデータタイプへの変更はできない。
●それぞれどんな場合、どんな人に向くのか
では、通常タイプとデータタイプは、それぞれ誰に向くのか。繰り返しにはなるが、通常タイプは音声通話込みで、楽天モバイルの通信サービスを利用したい人に向く。通話をする同士か片方がLINEやRakuten Linkを利用していない場合や、通話相手が固定電話など、どうしても音声通話が必要な場合に便利だ。
データタイプは、楽天カード所有が前提とはなってしまうが、楽天モバイルが本当につながるのかどうかを検証したい人や、面倒な契約手続きを避けたい人に向く。楽天モバイルを利用する端末がスマートフォンではなく、タブレットやPCの場合にもデータタイプは有効だ。
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