柔道の世界選手権2連覇王者、男子66キロ級の丸山城志郎(31=ミキハウス)が17日、現役引退を決意し、発表した。所属を通じて「非常に濃い柔道人生でした」と感謝のメッセージ。25日に記者会見を開く。
2021年の東京オリンピック(五輪)と24年のパリ五輪を2連覇した阿部一二三(27=パーク24)の「宿命のライバル」として、夢の五輪には届かなかったものの、立ちはだかった。世界選手権では2度、頂点に立っている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けての20年12月13日には、東京五輪代表を決める日本柔道史上初のワンマッチが行われ、阿部と24分に及ぶ死闘を繰り広げた。「令和の巌流島」決戦と呼ばれ、全日本男子の鈴木桂治監督から「阿部対丸山という、柔道関係者『以外』でも知っているような、伝説に残るような試合をしてくれた2人」と称賛されていた。
◆東京五輪柔道男子66キロ級代表決定戦 2020年(令2)年12月13日、東京・講道館の大道場で開催された。日本柔道初となるワンマッチで、無観客。序盤は阿部が積極的に前に出て攻めたが、試合時間の本戦4分間は一瞬で終了。延長戦に入り、同1分50秒で丸山を指導2に追い込む。丸山も反転攻勢に出て、同12分に阿部にも指導2で並んだ。阿部の顔からは出血。治療後の同20分(計24分)に仕掛けた大内刈りが、丸山の体を倒して「技あり」が宣告された。24分間の激闘に決着。生放送したテレビ東京系が、予定していた放送時間を超えて番組を途中終了するアクシデントに見舞われたほどの熱戦だった。
試合後、丸山は「自分を信じて、妻を信じて。毎日一緒に稽古してくれた大野(将平)先輩にも…感謝の気持ちでいっぱいです」。そして「ここまで肉体的にも精神的にも成長できて、強くなれたのは、阿部選手の存在があったから」と逃げることなく、勝った阿部に対して言及した。
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