メルセデス代表、息子を見て実感するシミュレーター・トレーニングの効果。王者のシムレース参戦にも肯定的

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2025年02月18日 11:50  AUTOSPORT web

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2024年F1第16戦イタリアGP トト・ウォルフとその息子
 メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、F1におけるシミュレーター作業の重要性がますます高まっていることについて語り、若いドライバーたちが仮想世界と現実世界のパフォーマンスをシームレスに統合していると説明した。

 ウォルフによると、4度のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンを含む若い世代は、仮想と現実の両方を見事に融合させる能力を持っており、それがフェルスタッペンがシミュレーションレースに熱中する理由かもしれないという。

 実際、フェルスタッペンはシミュレーターでのトレーニングを積極的に活用しており、バーチャルトレーニングの有用性を強く支持している。

 レースウイーク中に深夜までシミュレーションレースに取り組む彼の姿を見て、疑問を抱く人々もいる。仮想の24時間レースを終えた後にグランプリへ集中するのは難しいと考えるためだ。しかし、ウォルフはこの習慣をむしろ貴重なトレーニングツールとして評価している。

 ウォルフは、自身の7歳の息子ジャックに関するエピソードを通して、その考えを示した。

「7歳の息子は、自宅にカート用のシミュレーターを持っていて、オンラインで他の人たちとレースをしている」とウォルフは語る。

「イタリアにはコースが4つある。そのなかに、実際に彼が運転したことがないコースがあったが、シミュレーターを通じてそこを完全に理解していた」

 そして、ジャックが初めてその実際のコースに訪れたとき、驚くべきことが起こった。

「彼はコースに出てすぐに最速タイムを出した。彼が『このコースを知っているからね』と言うので、私は『そうだね、でもシミュレーター上で知っていただけだよね』と言った。だが彼は『本当だって。ここは走ったことがあるんだ』と言うのだ」

 ウォルフはこの体験から、「若者はもはや現実と仮想の世界を区別していない」と結論づけた。

 ウォルフはまた、シミュレーター作業が若いドライバーにとって非常に貴重なツールであり、トレーニングのあり方を大きく変える可能性があることを認めた。

「現在のグラフィックスは非常に精巧で、それによって若者の思考の働き方も変わってきている」とウォルフは語る。

「息子は5分間のカートレースを20回連続で走ることがある。そのなかで、スタートからクラッシュまで、すべてを経験している」

「本来、このようなトレーニングはすべてのドライバーに推奨されるべきだ。ただし、それほど若くないドライバーにとっては、おそらく少し難しいだろう。そして誰でもマックスのような効果を得られるとは限らない」

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