「婚活に積極的だったころも、心のどこかでどうせフラれるだろという気持ちでネガティブになっていた」と語る職場では降格人事、給与カット、ハラスメント告発などのリスクにさらされ、家庭では夫婦不和、介護、更年期障害や健康不安に苛まれる50代たち。現代の中高年を襲う強烈な孤独感と不安の実態に迫った。
◆ストレスから婚活うつに陥る中高年も…
婚活を頑張っても結果が出ない。そんなストレスから婚活うつに陥る中高年も少なくない。現在、大阪で警備員をしている大沼英明さん(仮名・54歳)もその一人だ。
「38歳のとき親の勧めで、会費が月2万円の結婚相談所に入会したんです。でも、いつかは結婚できると安易に考えていたのが間違いでした。特に40代半ばからは、交際まで発展しても明確な理由を言われずに数か月でフラれてしまうことが続いて……。そんなフラれループから抜け出せず、無気力になって部屋に引きこもることがありました」
40代半ばで職場のストレスが要因で転職するも、年収は100万円ほど低下してしまう。
「年収300万円になってからは見合いが成立しない状態。職場には同年代の独身も多くて彼らは開き直ってるけど、僕は底辺のままで人生を終えたくない。結婚は半分諦めてますが、せめてちょっとした恋愛くらいは……と希望を捨て切れない自分がいます」
◆中高年の婚活市場は?
大手の結婚相談所では、入会者を45歳までに限定するところも多い。結婚相談所マリーミー代表・植草美幸氏が、中高年の婚活市場を解説する。
「当社は年齢制限を設けていないので50代の会員も伸びています。ただ話を聞くと、アプリなどの婚活に疲れ果てて、うつ状態に陥っている中高年はいるようです。実際に50代だと年収1000万円以上の方でも、お見合いを組むのに苦戦するのが実情です」
理由は自身を客観視できていないことにあるとか。
「例えば自慢話ばかりだたり、深夜に電話で呼び出そうとしたり。高年収な人ほど相手への要望も多いですが、自身の肥満や清潔感の欠如は改善されない。そこをきちんとアドバイスする人がいなければ理想とのギャップにふさぎ込む可能性もありそうです」
中年でも恋がしたいなら“傾聴力”が必要だ。
【恋愛・婚活アドバイザー
植草美幸氏】
結婚相談所・マリーミー代表。著書には、『ワガママな女におなりなさい「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)など
取材・文/週刊SPA!編集部
―[急増![メンヘラ中年]の壁]―