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「兄妹で保護して良かったと思う瞬間」。そんなコメントととも投稿された2枚の写真。そこには、茶白猫の兄妹が猫団子になって眠る姿が写っています。撮影したのは、飼い主のX(ツイッター)ユーザー・ネコにごはんさん(@neko22gohan)。どのようにこの兄妹猫と出会ったのでしょうか。詳しいお話を伺いました。
【動画】「ごはん♪ ごはん♪」猫さんの“おねだりダンス”を見る
庭で母猫が2匹の子猫を出産
2019年9月、飼い主さんの自宅敷地内で野良猫が子どもを生みました。当時、犬と暮らしていたため、すぐに保護できず、しばらく見守っていたといいます。ところが、夏の終わりに転機が訪れました。
「母猫が見るからに具合が悪そうに見えたのです。家族と相談し『保護しよう』と決めた矢先、母猫はそのまま姿を消してしまいました。そして、2匹の兄妹猫だけが残ったのです。先に見つけることができた妹猫を保護。そし数時間後、車の陰で鳴いていた兄猫を保護しました」
その後もしばらく母猫が来るのを待ちましたが、ついに姿を現すことはなかったといいます。こうして、兄妹猫は、飼い主さんの家に迎えられることに。兄猫の名前は「小判(こばん)」くん、妹猫の名前は「金貨(きんか)」ちゃんと付けられました。
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2匹の子猫を迎えて新生活がスタート
保護当日、小判くんと金貨ちゃんは、とても怯えていました。
「私の部屋で一緒に暮らすことになりましたが、すぐ物陰に隠れてしまいみつからなくなってしまいます。このことから『人間に慣れるまではケージで生活したほうが慣れるのが早い』というのは本当なんだと思いました。幸い、しばらくして慣れてくれて、今は室内で自由に過ごしてもらっています」
小判くんと金貨ちゃんは、少しずつ飼い主さんとの暮らしに慣れていきました。そんなある日、とてもうれしい出来事があったといいます。
「いつもは兄妹で寝ていたのですが、ある日、兄妹そろって私の布団に上がって来て一緒に寝てくれるようになりました」
小判くん、金貨ちゃんは、こうして飼い主さんとの距離も縮めていったのです。
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個性豊かな兄妹猫との暮らし 今、飼い主さん願うこと
小判くんと金貨ちゃんは、現在5歳を迎えました。
それぞれのキャラクターもはっきりとかわってきたといいます。
「金貨は、意思が強い子です。寝ると決めたら寝る。おやつや新しいおもちゃに目もくれず、寝たいときは寝る。ごはんを食べたいときは飼い主を起こします。一方、小判は、社交家です。意思表示の方法がとても独特。ごはんをおねだりするとき、後ろ足をスリスリしながら“おねだりダンス”をします」
飼い主さんは、ともに歩んだ5年を振り返り、こう語ってくれました。
「猫たちには元気に長生きしてほしいです。宮崎教授(※)が『猫の寿命は15〜20年だが、30年に延ばすことも可能」という未来もすぐそこまで来ているようなので、食事と腎臓に気をつけながら長寿を目指したいです」
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(※元・東京大学大学院医学系研究科・医学部教授。一般社団法人AIM医学研究所代表。AIMは、宮崎徹教授が発見した血中タンパク質で、猫の腎臓病の治療薬として注目されている)
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)