大津地裁=大津市 滋賀県東近江市(旧湖東町)の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者に対する殺人罪で服役し、再審無罪となった元看護助手西山美香さん(45)が起こした国家賠償訴訟が20日、大津地裁で結審した。池田聡介裁判長は判決期日を7月17日に指定した。
西山さん側は、違法な捜査で経済的、精神的損害を被ったとして、国と県に計約5400万円の賠償を求めている。この日の最終弁論では、取り調べを担当した警察官が西山さんを不当に誘導し、虚偽自白をさせたと主張。13年以上拘束され、現在も心的外傷後ストレス障害(PTSD)にさいなまれているなどと訴えた。
被告側は最終準備書面で、合理的な根拠に基づき、嫌疑があると認められたことから必要な捜査を遂行したと反論。違法性は認められないとし、請求棄却を求めた。