フェブラリーSに出走予定のエンペラーワケア(撮影:下野雄規) 上半期のダート最強馬決定戦という位置付けだが、近年は有力馬が高額賞金を求めて海外に遠征するケースが多く難解だ。JRAの全競馬場でダート1マイルの距離設定があるのは東京競馬場のみ。しかもスタートしてしばらくは芝コースを走る特殊なコース。過去10年間で1番人気馬は[5-2-1-2]で3番人気以内馬は[8-4-3-15]と堅調傾向にあるレースだ。コース適性を重視したい。
◎エンペラーワケアは武蔵野S優勝馬。この時は初めて経験するダートの1600mだったが、前の2頭が後続を引き離して飛ばす展開の中、離れた2番手集団のインでレースを進め、最後は厳しいマークにあいながらも力強く抜け出した。530kg台という恵まれた馬体から繰り出されるパワーとスピード、そして瞬発力が武器。やや前進気勢が強い面があるものの、これまでダート戦に限れば[7-2-0-0]と底を見せていないのも魅力だ。
〇ペプチドナイルは昨年の優勝馬。南部杯ではレモンポップに食らいついて場内を沸かせ、前走のチャンピオンズCでも積極的なレース運びで見せ場を作った。最後の直線で1度は2番手に上がったもののゴール前で力尽きた内容からGI競走の舞台での1800mは微妙に長いのかもしれない。7歳となったものの、実績ある距離に戻る今回は楽しみだ。
▲コスタノヴァは根岸S優勝馬。3走前の欅Sでは斤量で2kgの差があったとはいえ出遅れながらもエンペラーワケアを完封している。東京競馬場はマイル3勝を含め[5-0-0-0]。500kgになろうと言う大型馬で、条件戦時代とはいえ斤量58kgも経験済。前走の根岸Sでもあっさりと後続に4馬身差。強かった。今回、初めての中2週にやや不安を残すもあっさりのシーンも十分に考えておきたい。
△ドゥラエレーデはプロキオンS3着馬。そしてチャンピオンズCは2年連続3着。昨年のフェブラリーSは3番人気を裏切る12着だったが、ホープフルSの勝ち馬なので芝コースが苦手という事もないだろうが、芝とダートの切れ目に驚いたようにも見えた。それ以来となる芝スタートに一抹の不安も残るが、どんな位置からでも競馬が出来るのは心強い。
ジャパンダートクラシック2着で名古屋大賞典をレコード勝ちした△ミッキーファイト、プロキオンS2着の△サンライズジパングと、東京コースで5勝をあげている△タガノビューティーを押さえておきたい。