「今やG19に」=米財務長官のG20欠席で―「世界開発センター」のクレメンス・ランダース副所長

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2025年02月23日 09:01  時事通信社

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時事通信社

クレメンス・ランダース 米シンクタンク「世界開発センター(CGD)」副所長(CGD提供)
 【ワシントン時事】米シンクタンク「世界開発センター(CGD)」のクレメンス・ランダース副所長は、ベッセント米財務長官が南アフリカのケープタウンで26、27日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を欠席することについて、「米国の国際体制からの離脱が広がる新たな兆候だ。今やG19と言っていい」と、懸念をあらわにした。22日までに時事通信のインタビューに応じた。

 米財務長官は世界的な経済、金融の課題解決を主導する役割が求められてきた。ランダース氏は「財務長官のG20欠席は極めて異例だ」と指摘。「先行きは見通せない」と話した。

 一方で、「気候変動にせよ、貧困にせよ、世界的な課題への対処でこれまで以上に協調行動が必要とされている」と強調。「米国はG20を見限ったが、他の諸国が米国に追随しなければならないわけではない」と訴えた。

 トランプ米政権は、世界最大の援助機関である米国際開発局(USAID)の「解体」を進めている。ランダース氏は「貧困削減や人命への大きな悪影響がある」と警告。世界銀行や、世銀グループで低所得国支援を担う国際開発協会(IDA)が、米国の「穴」を一部埋めることに期待を示した。

 ランダース氏は米国に限らず、「援助向けの予算が世界中で圧縮されている」と警戒。特に欧州での緊縮傾向に懸念を示した。開発資金が限られる中、有力な援助国である日本に対し、途上国向けの低利融資を「最も効果的」に使うようアドバイスした。 
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