青春時代に夢中になったドラマの裏には私たちの知らない“ドラマ”がいっぱい。出演者ご本人を直撃し、今だから話せるエピソードをこっそりお届け!
「『飛び出せ!青春』は忘れられない作品です」
こう語るのは、村野武範さん(79)だ。青い三角定規の歌う主題歌『太陽がくれた季節』とともに、村野さん演じる高校教師・河野武の合言葉「レッツ・ビギン」が記憶に残っている人も多いはず。
「ケネディ元大統領の就任演説の一部から引用したそうです。“とにかく何かを始めよう”という番組通してのテーマが、そのままドラマを代表する言葉になりました」
学校のシーンは、山梨県の日大明誠高校でロケをしたという。
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「学校が休みの日曜日を利用していました。日帰りの撮影なのですが、学生役が多いからロケバスは賑やかなものでした。学生役とはいえ、15歳から、上は22歳くらいまでいるんですよ。最年少は保積ぺぺさんだったんじゃないかな。子役出身で、演技が達者だったのを覚えています」
生徒役の剛たつひととは、村野さんのデビュー作『走れ玩具』(NHK)から何度も共演した。
「『走れ玩具』では私の後輩役、映画『八月の濡れた砂』では同級生。それが『飛び出せ!青春』では、いきなり教師と生徒役ですからね。しかも剛さん、当時は22歳くらい」
監督はせっかちで、撮影を次々に終えていくタイプだったという。
「撮影が早く終わったときなど、終わる時間を見て監督が『まだ15時か。ちょっと早かったな』とつぶやくんです。何が早いかというと、お酒を飲むには早すぎるという意味。それで、夕方になるとスタッフルームで飲み始めたりすることもありましたね。出演していた頭師佳孝さんのお母さんが、スタッフや監督のためにお酒や料理を用意してくれたんですよ。撮影が終わるとお母さんが『先生もどうぞ』と持ってきてくれました。でも、とっくに20歳を超えている学生役が一緒に飲もうとすると、お母さんから『あんたら学生はダメだよ』って言われて(笑)」
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雑然とした大所帯の撮影現場の中で、光り輝いていたのが教師役の酒井和歌子だった。
「和歌子さんはいつもお父さんが撮影現場に送り迎えに来ていました。東宝の有望な女優でしたからね。撮影期間中、和歌子さんを含めて和気あいあいとした楽しい撮影現場でした」
『飛び出せ!青春』(日本テレビ系・1972〜1973年)
サッカー部の部長を任された新任教師の河野武(村野武範)が、「レッツ・ビギン」を合言葉に、同僚の本倉明子(酒井和歌子)とともに生徒たちに情熱をぶつける姿は毎回感動的。日本テレビ系列の学園青春ドラマシリーズを代表する作品。
【PROFILE】
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むらの・たけのり
1945年生まれ、東京都出身。1969年にドラマデビュー後、多くの映画、ドラマに出演。料理番組『くいしんぼ坊!万才』に1988年から3年にわたって出演し、多くの人に親しまれた。
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