ロードカナロア産駒の「ダート向きに転化しやすい配合パターン」とは コスタノヴァのGI勝利を機に深堀り

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2025年02月24日 20:00  netkeiba

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フェブラリーSを制したコスタノヴァ(撮影:下野雄規)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るフェブラリーS

【Pick Up】コスタノヴァ:1着

 2024年の総合種牡馬ランキングはキズナが1位、ロードカナロアが2位。この2頭には「ダートでも稼ぐことができる」という共通点があります。2024年の全日本ダート種牡馬ランキング(中央ダート+地方)において、ロードカナロアは6位、キズナは7位。このランキングは当然、ダート向きの種牡馬が上位に並ぶわけですが、上位10頭のなかでロードカナロアとキズナだけは芝でもトップクラスの成績を挙げています。

 ディープインパクトのように芝で図抜けた成績を挙げる種牡馬ならともかく、現在の総合種牡馬ランキングは、芝はもちろんダートでもそれなりに稼げるタイプでないと頂点に立つことは難しいといえるでしょう。

 ロードカナロアは、アーモンドアイ、サートゥルナーリア、ダノンスマッシュ、ブレイディヴェーグなどの父。2020年から5年連続で総合種牡馬ランキング第2位となっています。ダートでも、パンサラッサがサウジC(沙G1・ダ1800m)を、レッドルゼルがJBCスプリント(JpnI・ダ1400m)を勝っています。

「ロードカナロア×ハーツクライ」の組み合わせは、コスタノヴァの他に、ケイデンスコール(マイラーズC、京都金杯、新潟2歳S)、トロワゼトワル(京成杯AH2回)、ヴァルディゼール(シンザン記念)、ロードデルレイ(日経新春杯)、タガロア(豪G1ブルーダイヤモンドS)が出ています。ロードカナロアのスピードと、ハーツクライのスタミナがうまくマッチするのでしょう。

 2代母トロピカルブラッサムは、ダート向きのサンダーガルチの娘。その影響で、母カラフルブラッサムの半兄ピイラニハイウェイは、ダートの浦和記念と佐賀記念を勝ちました。コスタノヴァの兄弟には、リレーションシップ(阪急杯4着)、ファイアンクランツ(札幌2歳S3着)という芝馬がいますが、コスタノヴァはファミリーに流れるパワー型の資質を強めに表現しています。

 コスタノヴァはストームバードのクロスを持つロードカナロア産駒。このパターンは、勝率、連対率、複勝率とも、ダートが芝を上回ります。ダート向きに転化しやすい配合パターンといえるでしょう。今回のレースに出走したエンペラーワケアも、ストームバードの息子ストームキャットのクロスを持つので、配合の方向性が似ています。

◆血統で振り返るダイヤモンドS

【Pick Up】ヘデントール:1着

 父ルーラーシップは産駒の芝平均勝ち距離が1859mと長め。ダイヤモンドSの勝利は2021年のグロンディオーズ以来2頭目です。他にキセキ(菊花賞)、ムイトオブリガード(アルゼンチン共和国杯)といったスタミナタイプを出しています。ヘデントール自身、昨年秋に菊花賞で2着と健闘しています。

 母コルコバードはオープンクラスまで出世した活躍馬。全5勝のうち3勝を2400mで挙げ、牝馬にしては珍しく芝3000mの阪神大賞典に出走しました。

 ヘデントールはデビュー戦で後の皐月賞馬ジャスティンミラノの2着と健闘した素質馬で、唯一馬券圏内に入れなかった青葉賞(8着)は、スタートで出遅れて位置取りが悪くなったことが敗因。手綱を取ったオシェア騎手は短期免許での騎乗初日で、日本の競馬に慣れていませんでした。

「ルーラーシップ×ステイゴールド」という成長力豊かなスタミナ血統だけに、今後この路線のスターホースとなる資格は十分。ステイゴールド産駒の芝平均勝ち距離は1940mです。

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