祈って、お札まつり、掃除で運気上げ…なのに“滑り止め”不合格!?母が味わった、中学受験の狂気と現実

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2025年02月24日 20:10  まいどなニュース

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己の狂気にびっくり…

中学受験という戦場で、母として全力を尽くす毎日は、まるで波乱万丈のドラマのよう。東京都在住のTさん(40代)は、娘の合格を祈るあまり、家の中はすっかり「祈りの場」と化してしまったといいます。そんな努力の末に迎えた試験本番、予想外の出来事が待っていました。

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祈りに捧げた日々

首都圏の中学受験塾では、小学3年生の2月から新4年生として、カリキュラムが始まります。平日は週3回、土曜日は復習テスト、6年生からはそれに加え日曜日は朝からお弁当持参での通塾があります。Tさんと娘さんは3年間二人三脚で頑張ってきました。

そして迎えた6年生の冬。Tさんと娘さんは6校に出願しました。1校で複数回の試験日時が設定されているため、試験回数は全部で16回にのぼりました。少しでも合格の可能性を高められるよう、娘と話し合った上での決断でした。

受験が近づくにつれ、Tさんは勉強だけでなく、家の中の「運気」にも気を配るようになりました。「神様は綺麗な場所を好むはず」と信じ、毎日玄関や水回りを掃除。神棚には神社で授与されたお札をまつり、親子で手を合わせるのが日課になりました。そんな日々を送ったのに、神様はどこかでTさん親子の願いをスルーしていたようです。

カバンについてる無数のお守り ママたちの必死の祈願

同じように神頼みをする受験生の母親は少なくありません。どこの神社がご利益があるか、情報交換も盛んに行われていました。

「〇〇神社は合格祈願にいいらしい」「〇〇神社は願い事がかなうらしい」と聞けば足を運び、1回5千円でご祈祷を受けることも。その様子は、まさに「祈りマラソン」状態。Tさんの娘さんのカバンには、訪れた神社の無数のお守りが束となり揺れていました。

そして試験には必ず「天神様の鉛筆」を使います。祈りを込めながら削るのもTさんの役目でした。縁起担ぎは尽きることがありませんでした。

祈り忘れの代償か?滑り止め校がまさかの不合格!

そして迎えた大舞台。首都圏の中学受験は1月10日、埼玉県にある私立中学の入試から始まります。Tさんの娘さんも、偏差値的に安全な学校を受験しました。第一志望ではなかったので、軽い練習と思って臨みましたが、結果はまさかの不合格。Tさんは衝撃を受けました。

「そんなことってある…?」「もしかして第一希望ではないこの学校の合格を、神社でお願いしていなかったから…?」

安全圏だと思っていた1校目の合格を信じて疑わなかったTさん。しかし現実は厳しく、Tさんの胸に不安が押し寄せました。

合格するなら滝にでも打たれたい、切実な母の思い

1月20日からの千葉入試、2月1日からの東京入試へと続く中、思うような結果は出ませんでした。どんなに祈っても叶わないこともあると痛感したTさん。それでも、できることはすべてやり尽くしました。

正月特訓中には天神様へ初詣に行き、娘さんの代わりに絵馬を奉納。もちろんお守りも買いました。毎日近所の氏神様にお参りに行くのも欠かしませんでした。しかし、最初の不合格校は、過去問対策が不十分だったことを後から思い知ります。

3校目の受験は偏差値的にチャレンジ校でしたが、娘さんの第一希望だったため3回受験しました。試験の最中も、Tさんはひたすら祈りました。「娘に合った問題が出ますように」「どうか合格を」。それでも足りないなら、滝行でも寒中禊でもやるつもりでした。何があっても、娘を合格させたい――そう思って過ごした2月の日々でした。

その結果、Tさんの娘さんは、第二志望の2回目の試験でようやく合格をつかむことができました。母と娘が歩んだ受験生活は、終わりを迎えました。

合格発表の翌日、Tさんは娘さんとともにお礼詣りへ向かいました。手を合わせながら、次の戦いを思います。

「次は大学受験です。またよろしくお願いします。」

   ◇   ◇

このエピソードを読んで「バカバカしい」「大げさだし、やりすぎ」と思った人もいるでしょう。しかし、中学受験を経験した家庭ならわかるはずです。親は、できる限りのことをしてあげたいと思うもの。中学受験とは親の狂気なのかもしれません。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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